元幻想郷少女は異能力者弐篇 (ページ10)

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【５章９話】Murder on D Street ページ10

「そこまで云うなら見せて貰おうか。その能力とやらを！」

「おや、それは依頼かな？」

「失敗して大恥をかく依頼だ！」

「あっはっは。最初から素直に、そう頼めばいいのに」

ニッと笑い懐から眼鏡を出す乱歩

横に居る敦は下を向き汗を流している

だが太宰と御阿礼は乱歩と同じく笑う

「ふん、何の手がかりもない
　この難事件を相手に大した自信じゃないか。60秒計ってやろうか？」

「そんなにいらない」

そんな事を云う箕浦に

乱歩は気にせずに唇が弧を描き笑う

「敦君。よく見てい給え」

「在れが、探偵社を支える能力よ」

太宰と御阿礼の言葉に敦が乱歩を見て身構える

(乱歩さんの異能……『事件の真相が判る能力』
　本当にそんなものがあるのか……！？)

───『超推理』

眼鏡を掛け異能名を呟くと

乱歩を中心にして風が強く吹く

「……………
　………………な・る・ほ・ど」

その場に居た者が乱歩を目に焼き付けている

乱歩が異能力を発動してから数秒間経つと

犯人が判ったのか眼鏡をチャッと押し当てる

「犯人が判ったのか？」

「勿論」

笑いながらピースをする乱歩

「くくっ。どんな牽制付会が出るやら……犯人は誰だ？」

ピースだった指を

クイッと時計回りで腕を動かす

「犯人は君だ」

ピタッと回っていた腕が止まる

指を差したのは＿＿＿＿

「は──？」

杉本巡査だった

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