元幻想郷少女は異能力者弐篇 (ページ4)

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【５章３話】Murder on D Street ページ4

御阿礼は乱歩に手を繋がれ引っ張られ

三人は河原近くの事件現場に入っていく

すると一人の男性の声が響き渡った

「遅いぞ、探偵社！」

現場に入ると其処は怒った様子で腕を組んでいる男性

その後ろには警官の格好をしたオドオドしている青年

二人の雰囲気からすると男性が現場で可なり上の地位で

青年が未だ警官に成って数年なのは御阿礼が直様判る事だった

(何とか着いた…)

「ん、きみ誰？安井さんは？」

「確かに居ませんね」

乱歩の言葉に御阿礼はキョロキョロと辺りを見渡す

探偵社に依頼をだした安井と目の前にいる男性は別人だった

「俺は箕浦、安井の後任だ
　本件はうちの課が仕切る。貴様ら探偵社は不要だ」

「莫迦だなあ。この世の難事件は須く名探偵の仕切りに決まってるだろう？」

「あらら」

〝どん〟と効果音が付く程に自信満々に云う乱歩

後ろに居る敦は勿論乱歩の行動にも驚いているが

気にせず微笑む御阿礼にも驚いていた

「フン、抹香臭い探偵社など頼るものか」

「何で/何故です？」

鼻で笑った箕浦に

乱歩と御阿礼は同時に突っ込む

「殺されたのが───

俺の部下だからだ」

箕浦の後ろに居た警官の青年がバサッと遺体に被された布を取る

その遺体を三人が覗き込むと

黒髪で白衣を着て手首に腕時計を着けている女性

全身には水滴が付着しており

恐らく現場の近くの川に浸かっていたのだろう

「今朝、川を流れている所を発見されました」

「…………ご婦人か」

乱歩はハッチング帽を胸に当て

御阿礼は静かに瞳を閉じ手を合わせる

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