元幻想郷少女は異能力者弐篇 (ページ28)

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【６章１０話】人を殺して死ねよとてページ28

＿＿＿＿場所は変わり先頭車両

「ぐっ、げほっ」

檸檬型爆弾の攻撃により血だらけになりながらも

立ち上がろうとする与謝野の背中を梶井は下駄で踏みつけた

「噂ほどじゃないなぁー。探偵社ってのも」

「ぐっ……」

下駄の底をギリッ…と押し付けられ与謝野は苦しい声を漏らす

そして梶井は下駄で苦しそうな与謝野の身体を仰向けに戻し口を開く

「これから君は死ぬわけだけど、その前に教えてくれ」

「『死ぬ』って何?」

仕込み短刀(ナイフ)を取出し与謝野に質問をした

「……何だッて？」

「学術的な興味だよ。僕は学究の徒だからね。」

梶井の質問を聞いた与謝野は目を見開くが、

質問をした張本人は気に求めず短刀(ナイフ)を上下に動かしている

「人の死因───脳細胞の酸欠も、
　テロメアの摩耗も───実験室レヴェルでは単純で可逆的な反応だ。
　なのに何故、死は不可逆なのだ？何故人は孰れ必ず死ぬ？」

「くッ……くくく
　そんな事も判らンのかい？」

梶井の二度目の問いに与謝野は笑った。

その様子に梶井は少し興味を持った様に反応をする

「大した事ないねェマフィアってのも」

「理学の求道者たるこの梶井が知らないことを……
　街の便利探偵屋如きが、判ると？」

檸檬型爆弾を受けた恨みを返す如く梶井を煽る与謝野。

そんな与謝野の挑発を受けた梶井は少しず怒りを表にする

「勿論、理由は簡単」

「アンタがアホだからさ」

実際は余裕が無いはずなのに余裕そうに笑う与謝野に

梶井は今度こそキレ短刀(ナイフ)を与謝野の手のひらに突き刺した

「ぐぁ……っ！」

「参考になる意見をどうも」

「……！」

そう云いながら梶井は白衣の袖から数個の檸檬型爆弾を床に落とす

その光景を見た与謝野は目を見開く

そんな与謝野を梶井は気にせず陽気に扉の方向へ向かう

「出血多量で死んだ後も、脳と意識は８時間生きているそうだ。
　後で君の死体に訊いてみるよ。『死んだけど今どんな気分？』ってね

　それじゃごゆっくり～♪」

バタンと梶井は乗務員室と書かれた扉を閉めた

「ぎッ…ッ」

それに焦った与謝野は自身の手の平に刺されている短刀(ナイフ)を抜こうとするが

数秒後、ヨコハマを通る電車の先頭から大きな爆発が起こった

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