3ー40 ページ41
中也side
消毒薬の匂い……
ページをめくる音……
ゆっくり目を開けると
薄暗い天井が見えた
音がする方に顔を向けると
Aが紙束に書かれてる
文字を見つめていた
Aの真剣な顔を
こんな近くで見たことが
あっただろうか……
ぼんやりと思いながら見つめていると
視線に気づいたのか顔を上げて俺を見た
『ぁ……』
何と声をかけたらいいか
分かんなくて名前を呼んだ
「A…」
『…中也さん……良かった…』
安心したようにAはふんわりと笑った
俺はAの安堵する声で
あの時の泣きそうな顔が頭を過ぎった
Aが無理しないよう
仕事中はずっと一緒に行動してたが
逆に不安にさせちまったな…
横になっていた体をゆっくり起こして
Aと目線を合わせ口を開いた
「A…ごめんな…」
『ぇ…？』
太宰が抜けてから使わなかった
〈汚濁〉を初めて見たんだ
不安だったし怖かったろうな…
目を見開き小さな声を出すAに
俺は続けて伝えた
「〈汚濁〉……
初めて見たもんな
怖かったよな……
不安にさせて…ごめんな…」
俺が謝るとAは俯いた
表情が見えねぇ
『……う…』
「ん？」
ポツリと呟くAに聞き直すと
ゆっくりと顔を上げた
Aの目元は少し赤くなっていた
また泣かせちまったかと思っていると
Aは否定の言葉を口にした
『違う……違います…
異能力は怖くないです
怖かったのは……
中也さんが傷つくことで…
中也さんが
居なくなっちゃうんじゃないかって
それが不安で…怖くて…
だから……』
どこまでも優しい此奴に
俺はなんとも云えない気持ちになり口を噤んだ
大抵……
俺の〈汚濁〉を見たやつは
“異端”だと恐れられ
太宰や姐さん達を除けば
距離をとる奴が多かった
だから…Aにも……
怖がらせちまったかと
嫌われちまったかと
そう思ったが
それは杞憂だったみたいだ
今にも泣き出しそうなAに
ゆっくり手を伸ばす
「……心配かけちまって…ごめんな
なるべくないようにするから……
だから………」
いつもみたいに笑ってくれ
笑ったお前が好きだから……
まだ俺の気持ちなんて知らなくて良い…
まだ伝わらなくていいから…
俺はいつものように
頭に手を置いて優しく撫でた
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アリス(プロフ) - 久遠さん» はい！ありがとうございます(*'▽'*) (2020年2月21日 20時) (
レス) id: 30d2bc441e (このIDを非表示/違反報告)
久遠(プロフ) - アリスさん» 返信ありがとうございます！嬉しいです！( *´ω`* )わーギルド戦後も続くんですね！楽しみです！いくらでも待ちますんで、ご無理のない範囲で更新してくださいヽ( ´ ▽ ` )ノ (2020年2月21日 19時) (レス) id: 060e6a57ee (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 久遠さん» わーありがとうございます！(*´∇｀*)コメントすっごく嬉しいです！更新はノロノロですが、ギルド戦後もまだまだ話は続くので楽しんでほしいです！ヽ(´▽｀)/ (2020年2月21日 19時) (レス) id: 30d2bc441e (このIDを非表示/違反報告)
久遠(プロフ) - はじめまして。更新ありがとうございます！最近この作品を知って読ませて頂いてます。語彙力がないので上手い事言えないのですが、この作品めちゃくちゃ好きです！続き楽しみに待たせて頂きます！ (2020年2月21日 19時) (レス) id: 060e6a57ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Akia | 作成日時：2019年12月14日 3時
