第五十一話 ページ6
今日は、承君と花京院君と一緒に、列車の切符を買いに行く予定になっていた。
でも何故かそれに、アンちゃんもついて来る事に。
「アイスクリームちょーだい」
「らっしゃい。
おじょうちゃん、アイスクリームもいいが、こいつはうまいよン。ひんやり冷えたヤシの実の果汁だ」
「4シンガポールドルもするじゃん。観光客用にぼってる値段かよ。2ドルならのんでやるぜ」
「あのねー、ナチュラル・ピュアテイスト100%なのよん。さっき木からとってきたやつに」
出店の人は、鉈でヤシの実を切る。
「…と穴をあける」
中にはタプタプに果汁が入っていて、甘い香りが漂ってきた。
初めてヤシの実を見たけれど、これは美味しそうだ。
「飲んでみるか。4つくれ」
『えッ、私はいいよ。アンちゃんのひと口貰えれば』
「何言ってんの千紘さん。飲まなきゃ損だよ」
アンちゃん……言い方がちょっとオヤジっぽい。
「ヘイどーも。16ドルっす」
「おい、8ドルにしろ8ドル」
花京院君が財布を取り出すと、通りかかった男の人がスリ取っていった。
『か…花京院君!?財布取られちゃったよ?』
無言で、花京院君はハイエロファントを出現させた。
男の人の足首を掴み、転ばした隙に近付いた花京院君。
「てめー、俺のサイフを盗めると思ったのかッ。このビチグソがァ〜〜〜〜」
『えっ?』
「どうした?花京院」
あんな暴言吐くなんて…いったい花京院君に何があったの?
「へどまぶち吐きなッ!」
男の人の頭を掴み、膝蹴りを顔面にかました。
『ひ…ッ!』
「花京院!」
「この、こえだめで生まれたゴキブリのチンボコ野郎のくせに」
「ホゲェー」
「俺のサイフを!そのシリ穴フイた指でぎろうなんてよぉ〜〜〜〜〜っ!!
こいつはメチャゆるさんよなああああ」
「うげァああああ」
骨が折れる嫌な音が聞こえ、男の人が血を吐く。
見ていられなくて、私は目をそらした。
「おい!何をしているんだ花京院、死んじまうぜ。やめろ、血をはいている」
「す…すごい!バックブリーカー、なんて荒技を!それにあんな下品なセリフをあの人がはくなんて…」
まるで別人のような変貌ぶりに、頭が真っ白になる。
こんな人だったの…?いいや、そんなまさか。そんな筈ないって信じたい。
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理音(プロフ) - 続き気になります!更新楽しみにしています! (2022年4月20日 15時) (レス) id: d1bb6ccd48 (このIDを非表示/違反報告)
神奈(プロフ) - とても面白いです!更新が止まってるようですが、続き楽しみにしてます! (2019年4月13日 3時) (レス) id: c414ab850f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナーガ | 作成日時:2017年10月22日 17時