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189、甘えん坊将軍 ページ10

「小湊先輩?あのぉー…」
「…」


事件が無事(?)解決して、野球部の皆で焼肉を食べに来た。
小湊先輩は病院行って手の怪我を見てもらえとうるさかったけど、病院より焼肉の方が魅力的じゃないッスか!
そんな訳で、保健室で簡単な治療だけ受けた包帯でグルグル巻きの両手は、少しだけ痛む。


「ちょっと誰か助けてほしいッス、これどうしたらいいの?」


いい匂いで美味しそうに焼けるお肉に箸が伸びないのは、決して手が痛いからではない。
うちが身動き取れないくらい強く、小湊先輩に抱き締められているから。


「小湊先輩ー?ねぇ食べないの?お肉なくなっちゃうッスよ?」
「…」
「もーどうしたんスか?お酒も飲んでないのに酔ったの?それとも寝てんの?」


動かない小湊先輩の背中をポンポンと叩く。
あ、傷に響く、いたたたた…。


「今日くらい甘やかしてあげたら?Aちゃん」
「ふぇ?」
「御幸うるさい」
「あ、はい」


御幸先輩が呆れた顔で笑いながら言う。
甘やかすって…大魔王様を?


「甘えたいんスか?甘えん坊将軍ッスか?」
「A」
「あ、はい、黙ります」


仕方なく箸を置いてギュッと抱き締め返す。
この人の行動は時々読めない。


「…手、痛い?」
「んー?ちょっとだけ。でも大丈夫ッスよ」
「…ごめんね」


…?
え、小湊先輩、今なんて言いました?


「ど、どうしたんスか、先輩…体調悪い…?」
「俺がいると、お前は酷い目に遭ってばっかりだよね」
「いやぁ、一概に小湊先輩のせいとは言えないッスけど…」


ガヤガヤと賑わう皆の声が遠く聞こえる。
小湊先輩と二人きりの空間にいるような錯覚。
ちょっとだけ、小湊先輩の事独占しちゃおうかな。

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橋姫(プロフ) - リンさん» リンさん感想ありがとうございます!楽しんでいただけて嬉しいです(o^^o)今後も楽しんでいただけるよう頑張りますのでよろしくお願いします!^^ (2016年9月16日 17時) (レス) id: 8eb81026be (このIDを非表示/違反報告)
リン - めっちゃ面白かったです。ありがとうございました。 (2016年9月15日 6時) (レス) id: 7578393967 (このIDを非表示/違反報告)
橋姫(プロフ) - 春介さん» 春介さんコメントありがとうございます!私には勿体無いお言葉(´;ω;`)嬉しいです!今後も是非よろしくお願いします^^ (2016年6月18日 20時) (レス) id: 8eb81026be (このIDを非表示/違反報告)
春介 - もう格好良さの塊と可愛さの塊ですね。主人公が可愛いらしいです。最初から読む価値ありますよ。ヘ(≧▽≦ヘ)♪ (2016年6月18日 20時) (レス) id: 48065eba43 (このIDを非表示/違反報告)
ヴァン - 遅くなってすみません!本当ですか!?続編とても楽しみにしてました!言葉で表せないくらい、めっちゃ嬉しいし、この小説大好きです!頑張って更新してください!!! (2016年2月15日 20時) (レス) id: a98225ac2b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:橋姫 | 作者ホームページ:http://yumenoukihashi.himegimi.jp/  
作成日時:2015年11月29日 20時

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