【◆A】大魔王様と下僕ちゃん5【小湊亮介】

182、ずっと待ってるよ ページ3

「えっ…！？こ、小湊先輩！？」


ジッと目を凝らして何度も確認する。
間違いない、小湊先輩がいる。


「なんで…！？何してんの！？」


慌てて部屋を飛び出し玄関へ走る。
雪が降ってもおかしくないような痛みを伴う寒さ。
こんな寒い中、まさかずっとあそこにいたの…！？


「小湊先輩！！！」


寝巻きのまま外に飛び出し、俯かせていた顔を上げたその姿に思い切り飛びく。
強く抱きしめた体はガクガクと震えていた。


「はー…寒い…凍死するかと思った…」
「何してるんスか！バカなんスか！？なんでこんな…」


言葉が止まったのは、顔を上げて目に映った小湊先輩が、優しく笑っていたから。


「会えるようになるまで待ってるって言ったじゃん」
「なんで…うち、あんなひどい事小湊先輩に言ったのに…」


ぶわっと涙が溢れる。
やっぱうち、小湊先輩が大好きッス…


「入って！あったかい飲み物用意するッス！」
「風邪引く前に風呂入りたい。風呂沸かしてくんない？」
「お安い御用ッスよ！」


決めた！
逃げるのやめる！
だって小湊先輩と一緒なら、きっとどんな困難も乗り越えられるから！
泣きながらヘラッと笑ったうちの頭を、小湊先輩が優しく撫でてくれた。

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