190、幸せのカタチ ページ11
「あ、分かった!うちのお母さんになんて説明するか迷ってるんだ!」
「いや違うけど」
「うちに任せてください!」
「だから違うって言ってんでしょ」
二人で店の外に出て備え付けのベンチに座る。
ずっと何かを考え込んでるような小湊先輩の顔は、見た事ないような弱気な顔。
「俺さ、一応お前を無理矢理野球部のマネージャーにした事に責任感じてんの」
「そうなんスか?初耳ッス」
「野球部にいる事でお前が傷付くような事があれば、守ってやらなきゃって思ってるよ、一応」
「一応は余計ッスね」
コートを着てても冷たい風が身に染みる。
隣に座る小湊先輩にピタリと身体を寄せると、小湊先輩はうちの肩に手を回してグッとうちを抱き寄せた。
「どうすればお前が傷付かずに生活出来るのか分からない。俺がそばにいなきゃいいわけ?」
「あはは、そしたら少なくとも小湊チョップからは解放されるッスね!でも…」
小湊先輩の顔を下から覗き込む。
目が合ったので、笑いかけた。
「何もなくて退屈なだけの人生じゃつまんないッス!小湊先輩といると、楽しいッスよ、うち」
「お前危機感無さ過ぎるよ。何度一歩間違えたら死んでたって場面に遭遇してると思ってんの?」
「そりゃ死んだら元も子もないッスけど…だけどうち、小湊先輩といたら幸せッスから!」
ポカンとした小湊先輩の顔を見てニシシと笑う。
何度危険な目に遭ったって大丈夫ッスよ。
だってその度に、ちゃんと小湊先輩が助けてくれるじゃないッスか。
「これからもうちのそばにいてください、小湊先輩!」
「…生意気」
「あ、そばにいさせてください…?」
「まぁ、いいけど」
ほらね、小湊先輩優しいんだ。
うちの頭を優しく撫でる小湊先輩に擦り寄ったら、小湊先輩の唇がほんの一瞬だけうちのおデコに優しく触れた。
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橋姫(プロフ) - リンさん» リンさん感想ありがとうございます!楽しんでいただけて嬉しいです(o^^o)今後も楽しんでいただけるよう頑張りますのでよろしくお願いします!^^ (2016年9月16日 17時) (レス) id: 8eb81026be (このIDを非表示/違反報告)
リン - めっちゃ面白かったです。ありがとうございました。 (2016年9月15日 6時) (レス) id: 7578393967 (このIDを非表示/違反報告)
橋姫(プロフ) - 春介さん» 春介さんコメントありがとうございます!私には勿体無いお言葉(´;ω;`)嬉しいです!今後も是非よろしくお願いします^^ (2016年6月18日 20時) (レス) id: 8eb81026be (このIDを非表示/違反報告)
春介 - もう格好良さの塊と可愛さの塊ですね。主人公が可愛いらしいです。最初から読む価値ありますよ。ヘ(≧▽≦ヘ)♪ (2016年6月18日 20時) (レス) id: 48065eba43 (このIDを非表示/違反報告)
ヴァン - 遅くなってすみません!本当ですか!?続編とても楽しみにしてました!言葉で表せないくらい、めっちゃ嬉しいし、この小説大好きです!頑張って更新してください!!! (2016年2月15日 20時) (レス) id: a98225ac2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:橋姫 | 作者ホームページ:http://yumenoukihashi.himegimi.jp/
作成日時:2015年11月29日 20時