7、飾る ページ9
「そういやお前、コレ外さねぇの?」
ガンッ
食事をしているAに後ろから手を伸ばすと、その手にAの持っていたスプーンが直撃した。
いってぇー…お前、仮にも野球選手の右手を…!
「…触らないから、見せてくんね?」
叩かれた手をプラプラ振りながら呟く。
Aは暫く動かずにいたが、じきに俺と向き合い首元を晒した。
「んー…あぁ、これ鍵がねぇと外れないのか…」
かなり頑丈な作りの鉄の首輪には、鍵穴が一つ付いているだけで他に外せそうなところはない。
当然鍵なんてコイツは持っていないだろう。
「あ…何か書いてあるな…カ、ラー?」
薄っすらとだが、“collar”と刻印されてるのが見える。
collar…首輪…?
そのまんまじゃねーか。
「鉄の首輪なんて趣味悪いよなー、外したいだろ?」
コクン。
そりゃそうだよな。
っても、鍵がなきゃどうしようもねぇな。
首元に電動ノコギリ使う訳にいかねぇし。
「あ、じゃあ…ちょっと待って…」
戸棚から箱を一つ取り出す。
ファンの子からもらってそのまま放置してた中身も分からないプレゼント。
その箱に綺麗に巻かれていたピンクのリボンを解いた。
「ちょっと触るかもだけど、何もしねぇから暴れんなよ?」
鉄の首輪に巻き付けるようにリボンを巻いていき、顎の下で蝶々結びしてやる。
「お、いいじゃん。可愛くなったぞ」
手鏡を突きつけると、さっきまで無機質で冷たい雰囲気を漂わせてたのとは打って変わって女の子らしくなった首輪を、Aは暫く見つめていた。
そしてほんの一瞬だけ、微笑んだような気がした。
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橋姫(プロフ) - なつみさん» こんな駄作を何度も読んでいただいてるなんてあぁぁぁありがとうございます(@_@。恐れ多すぎて嬉し過ぎます!!(>_<)続編ではひたすら二人のほのぼの日常を書こうと思っておりますので、今後ともぜひ宜しくお願いしますm(_ _)m (2017年6月14日 17時) (レス) id: 8eb81026be (このIDを非表示/違反報告)
なつみ(プロフ) - えええ!待ってました!この小説、何回読んだことか…続編の執筆、楽しみにしています! (2017年6月14日 8時) (レス) id: 5201279b3c (このIDを非表示/違反報告)
橋姫(プロフ) - 帰蝶さん» 帰蝶さんコメントありがとうございます!ようやく続編を書く決断ができました…お待たせしましたm(_ _)m私も青道の人達とはちょこちょこ絡ませたいなと思ってるので、まぁ全員とはいきませんが頑張って書いていこうと思います(o^^o)また宜しくお願いします♪ (2017年6月13日 7時) (レス) id: 8eb81026be (このIDを非表示/違反報告)
帰蝶(プロフ) - うわぁ〜!!!続編始めるんですね!!!とっても嬉しいです!!!今からとても楽しみです!!!続編が始まったら青道の皆との絡みが見てみたいです!!!随分とアバウトですみません!!!これからも応援しています!!! (2017年6月12日 20時) (レス) id: 07fa8ea693 (このIDを非表示/違反報告)
帰蝶(プロフ) - 続編は気長に待ってます!!!わざわざお返事ありがとうございました!!! (2017年4月3日 22時) (レス) id: 07fa8ea693 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:橋姫 | 作者ホームページ:http://yumenoukihashi.himegimi.jp/
作成日時:2015年10月27日 20時