15、切る ページ17
「Aー、こっちおいでー」
風呂場からAを呼ぶ。
ヒタヒタと足音が近付いてきて、風呂場のドアからAがひょっこり顔を出した。
「ここ座って。前髪切ってやる」
伸び晒しにされた髪。
さすがに後ろの髪を切ってやる勇気はないけど、とりあえずうざったそうな前髪だけ整えてやろうと思った。
「…」
「イヤイヤじゃねーよ、そんな貞子みたいな前髪で前見えないだろ」
ムッとした顔で顔を左右に振ったAの首根っこを掴む。
お前美容院なんて絶対行けないんだから、俺が切るしかないだろ。
「ほら、目瞑って。ハサミ持ってるから絶対暴れるなよ?」
浴槽の淵にちょこんと座ったAの前に膝をついて前髪をまとめる。
目を瞑れって言ってんのにがっつり両目開いてジッと俺を見てくるAの大きな瞳に髪が入らないように気を付けながらハサミを入れる。
チョキンッ
パサリと長い髪が落ちる。
あ、ぱっつんになっちゃった。
「んー、どうする?バラす?ぱっつんでも可愛いけど」
短くなった髪を確認するように触りながら視線だけを上に上げているAに手鏡を渡す。
ちょっと躊躇いなくいきすぎた。
バラすとなるとオン眉待ったなしだなコレ。
「…」
「そんな顔するなよ、可愛いって」
短くなった髪を不服気に見るAの顔を見て苦笑と共に頬を掻く。
俺って器用な方だと思ってたんだけどな…。
「…いい」
「これでいい?」
小さく頷いたAはプルプルと頭を振った。
髪が顔にかからなくなったら、表情が見やすくなったな。
見れば見るほどガキくさい顔。
何歳なんだろ、コイツ。
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橋姫(プロフ) - なつみさん» こんな駄作を何度も読んでいただいてるなんてあぁぁぁありがとうございます(@_@。恐れ多すぎて嬉し過ぎます!!(>_<)続編ではひたすら二人のほのぼの日常を書こうと思っておりますので、今後ともぜひ宜しくお願いしますm(_ _)m (2017年6月14日 17時) (レス) id: 8eb81026be (このIDを非表示/違反報告)
なつみ(プロフ) - えええ!待ってました!この小説、何回読んだことか…続編の執筆、楽しみにしています! (2017年6月14日 8時) (レス) id: 5201279b3c (このIDを非表示/違反報告)
橋姫(プロフ) - 帰蝶さん» 帰蝶さんコメントありがとうございます!ようやく続編を書く決断ができました…お待たせしましたm(_ _)m私も青道の人達とはちょこちょこ絡ませたいなと思ってるので、まぁ全員とはいきませんが頑張って書いていこうと思います(o^^o)また宜しくお願いします♪ (2017年6月13日 7時) (レス) id: 8eb81026be (このIDを非表示/違反報告)
帰蝶(プロフ) - うわぁ〜!!!続編始めるんですね!!!とっても嬉しいです!!!今からとても楽しみです!!!続編が始まったら青道の皆との絡みが見てみたいです!!!随分とアバウトですみません!!!これからも応援しています!!! (2017年6月12日 20時) (レス) id: 07fa8ea693 (このIDを非表示/違反報告)
帰蝶(プロフ) - 続編は気長に待ってます!!!わざわざお返事ありがとうございました!!! (2017年4月3日 22時) (レス) id: 07fa8ea693 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:橋姫 | 作者ホームページ:http://yumenoukihashi.himegimi.jp/
作成日時:2015年10月27日 20時