検索窓
今日:11 hit、昨日:30 hit、合計:167,028 hit

10、気付く ページ12

「よーし!大分綺麗になったんじゃねーの?」


芝刈り機を止めてサッパリした庭を見渡す。
刈った芝を集めたそばからAが散りばめてくれるから纏めるのは諦めた。


「お前すっげぇ泥だらけだな、なんでそうなった?」


全身真っ黒になってちまちまと芝を抜いているAを見て苦笑を零す。
あーあー、あの一部分だけ芝ハゲちまうな…。
本人は多分手伝ってくれてるつもりでやってるんだろうから何も言えない。


「腹減らね?何か食うか」


肩にかけたタオルで汗を拭いながら声を掛けると、Aはパッとこっちを向いた。
そして勢いよく家に上がろうとしたので、ギリギリの所でとっ捕まえる。


「バカ!んな汚い身体で家入ろうとすんな!」
「!!!!」
「いてぇ!痛いっての、暴れるな!!」


蹴りや肘打ちを食らいながらAを抱えて一直線に風呂場に向かう。
そこそこ懐いてくれたのかと思う時もあるけど、やっぱり触られるのだけは嫌らしい。


「午後は買い物でも行くか。次のオフまでの食料買い溜めとかないと」


Aの被っていたシーツを洗濯機に放り込み、浴室に突っ立ったままこっちを見ているAの方を向く。
庭に出るのも躊躇ってたぐらいだし…買い物はまだコイツには無理か。


「ま、お前は昼寝でもしとけ」


一応気を遣ってそう言うと、Aはブンブンと首を横に振った。


「…なに?一緒に来たいの?」
「…」
「無理しなくていいって」


黙り込んだまま俯いてしまったAを見て思わず笑う。
小学生かコイツ。


「…」
「分かった分かった、じゃあ変装して一緒に行くか」
「!」


パッと明るい顔をしたAの頭をわしゃわしゃっと撫でる。
俺って意外と女の尻に敷かれるタイプかも。

11、化ける→←9、遊ぶ



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (230 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
291人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

橋姫(プロフ) - なつみさん» こんな駄作を何度も読んでいただいてるなんてあぁぁぁありがとうございます(@_@。恐れ多すぎて嬉し過ぎます!!(>_<)続編ではひたすら二人のほのぼの日常を書こうと思っておりますので、今後ともぜひ宜しくお願いしますm(_ _)m (2017年6月14日 17時) (レス) id: 8eb81026be (このIDを非表示/違反報告)
なつみ(プロフ) - えええ!待ってました!この小説、何回読んだことか…続編の執筆、楽しみにしています! (2017年6月14日 8時) (レス) id: 5201279b3c (このIDを非表示/違反報告)
橋姫(プロフ) - 帰蝶さん» 帰蝶さんコメントありがとうございます!ようやく続編を書く決断ができました…お待たせしましたm(_ _)m私も青道の人達とはちょこちょこ絡ませたいなと思ってるので、まぁ全員とはいきませんが頑張って書いていこうと思います(o^^o)また宜しくお願いします♪ (2017年6月13日 7時) (レス) id: 8eb81026be (このIDを非表示/違反報告)
帰蝶(プロフ) - うわぁ〜!!!続編始めるんですね!!!とっても嬉しいです!!!今からとても楽しみです!!!続編が始まったら青道の皆との絡みが見てみたいです!!!随分とアバウトですみません!!!これからも応援しています!!! (2017年6月12日 20時) (レス) id: 07fa8ea693 (このIDを非表示/違反報告)
帰蝶(プロフ) - 続編は気長に待ってます!!!わざわざお返事ありがとうございました!!! (2017年4月3日 22時) (レス) id: 07fa8ea693 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:橋姫 | 作者ホームページ:http://yumenoukihashi.himegimi.jp/  
作成日時:2015年10月27日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。