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おもわぬそうぐう ページ37

「はっ、はっ……」

上靴を履き、廊下を駆ける兎愛。
いつもならば、いけない事だと十分に分かっているが、今はそうも言ってられなかった。


「なにか、すごくいやなかんじ……」

心に突き刺さる、得体のしれない黒いもの。
それに近づいているのが分かるのは、それがどんどん大きくなっていくのを感じているからだ。

授業中で、他の生徒は廊下には出ていない。そんな中一人、駆ける……。


「……あかつきさん?」

「えっ……?」

自分を呼ぶ声がしたので、ふと立ち止まる。
後ろを向くと、保健室に居たはずの優奈が立っていた。


「おやまさん!?おきてて、だいじょうぶなの……?」

つい数十分前、保健室で倒れたのを兎愛はその場に立ち会って見ている。
今ここに居ることで、彼女の体調が心配だった。

「うん、へいき。けんがくくらいなら……っておもって出たら、あかつきさんがいて……
どうしたの?」

「あのね、じつはね……」

思ったより元気そうな優奈を見て、とりあえず兎愛は胸を撫で下ろす。
そして、自分が戻ってきている理由を説明した。


「せんせい、もどってこないなんて……しんぱいだよ」

「それでね、昨日のへんなおねえさんとおなじ、わるいかんじがするの」

「え、それって……」

お互い、同じことを想像した。
ブラックホールという悪の集団。そして、悪夢を見せる謎の女性の存在。


「だから、わたしが行かなきゃいけないきがするの。おやまさん、さきに外でてて」

優奈を、これ以上巻き込むことは出来ない。
そう思った兎愛は、彼女を先に送り出そうとする。


「……いや!わたしも、いっしょにいく」

「えっ?だめだよ、あぶないよ……」

すんなり聞き入れてもらえなかったことに、兎愛は少し焦った。
優奈を危険に晒したくないからだ。


「できること、ないかもしれないけど……あかつきさんになにかあったら、わたし……」

「おやまさん……じゃあ、なにかあったら、かくれてて、ぜったい!」


こうして二人で、嫌な気配の大本へと向かうことになった。




「またくるっていったのに、ここであっちゃったね……」

「そういえば、そうだね……」

気を張り詰めていた兎愛の心に、ほんのわずかに余裕が出来ていた……。

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設定タグ:魔法少女 , 小学生 , 市販書き(一時創作)   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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きせ(プロフ) - やっぱり物足りないですよね。正直な感想、ありがとうございます (2019年1月15日 22時) (レス) id: d21ca2596b (このIDを非表示/違反報告)
きせ(プロフ) - かなみさん 三部以降で、頑張って改善して行っているつもりなので、これからも応援よろしくお願いします! (2019年1月15日 22時) (レス) id: d21ca2596b (このIDを非表示/違反報告)
かなみ - 描写が少し物足りなくて、面白いのに勿体ないと思いました。 (2019年1月14日 10時) (レス) id: 9e95386d93 (このIDを非表示/違反報告)
花杜あみり@元花村すみれ(プロフ) - Twitterのフォローありがとう!最近バイトが忙しいけど、暇な時間に読んでみたい! (2019年1月3日 21時) (レス) id: bb468dc0cb (このIDを非表示/違反報告)
せいろん(プロフ) - どんな展開か楽しみにして読んでます(*^^*)がんばってくださいね! (2018年10月24日 8時) (レス) id: 795d0599c5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きせ | 作成日時:2018年8月30日 20時

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