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「…私の術式を知ってるだろ?あれが私の戦い方なんだ」
「もういいよ。戦わなくていい」
「…そういうわけにはいかないよ」
「っ傑、変わった!あの時からどんどん痩せてるし、窶れてる。わたしもう見てられないの」
「…はは、心配させてしまったかな。ごめんね」
先程の怒りは静まったのか、泣きながら話す私を諭すように傑は話していた。
「私が傑の分まで戦う」
涙を拭いながら言うと、傑はとても驚いていた。
「もっともっと強くなって傑を守る。ずっと守るから。傑も師匠も硝子ちゃんも、皆を守れるくらい強くなるよ。……だから、あんなの食べなくていい。戦わなくていいよ」
「何だよそれ……」
傑は困ったように笑った。赤くなった私の頬を傑が優しく撫でた。
「……さっきは叩いてごめんね。痛かっただろ?」
「ううん………私もごめんなさい」
「君は無茶ばかりするね」
「うっ」
何も言い返せなくて黙っていると、ふわりと抱きしめられた。
「…傑?」
「本当に心配だったんだ。三日も眠っていたんだよ。硝子がいなかったらどうなってたか…」
「三日も?!………あっ、夜蛾先生、怒ってるかな……?」
「そりゃもうカンカンさ」
せっかくの傑との時間なのに、夜蛾先生の事を考えると胃がキリキリと痛くなる。
「………ねぇ、本当に守ってくれるのかい?」
ぎゅっ、と抱きしめる力が強くなる。
「守るよ!ぜったい!約束だよ」
約束だ、と小指を出すと傑は笑いながらも小指を出してくれた。
「……ふふふ、そうか。ありがとうね。約束だ」
嬉しそうにはにかむ傑の笑顔を見て、私も同じように笑った。
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ととこ(プロフ) - 神代優花さん» 読んでくださりありがとうございます。もし良ければ何話か教えていただけないでしょうか…?お手を煩わせてすみません… (2021年5月5日 15時) (レス) id: a0d3aa46dd (このIDを非表示/違反報告)
神代優花 - 自分と言う自が違う気がするのですが。間違いだったらすみません。 (2021年5月5日 15時) (レス) id: 5b5a130973 (このIDを非表示/違反報告)
星空の砂時計 - とても面白いですね♪ 作者さんのペースで更新を頑張ってくださいね! 私も呪術廻戦にハマり、作品を書いている者なので機会があれば何処かでお会いしましょう! *´▽`* (2021年4月24日 23時) (レス) id: a21ef6301e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ととこ | 作成日時:2021年4月13日 0時