6話:純朴な疑問 ページ7
▼窃野side
ぷいっと顔を逸らしたAに、デコピンをかました。
『何故』と言いたげな顔をしていたが、これはしょうがない。
「目上の人やお兄さんの質問には目を合わせて答えるんだぞー。
これ社会の基本な。」
人差し指をピッと立てると、『めんどくさい』と口を尖らせるA。
それにははは、と笑いAの服へと目を向けた。
(何かを隠しているような不自然な膨らみは無し、いつもの重さと変わらない…。いや、ちょっと痩せたか?)
ストレスのせいだろうか。
なんて勝手に考える。
Aがストレス溜まってんのは分かる。
何せコイツは若に脅されてるようなもんだ。
「大事なお姉ちゃんがこうなっていいのか?」って言ってたもんなー。
めちゃくちゃノリノリだった。
酷いよな若。
…まぁでもそんな若に惚れ込んだんだけどよ。
俺も俺だよなー、とため息をつき部屋をぐるりと見回した。
(何か動かした形跡は…ない、か?わかんねぇ)
うーん、と考えるとAに『下ろして』と真顔で言われた。
いやいつも真顔みたいなもんだけど
「いやー、悪ぃ悪ぃww」
『…セツノにぃのだっこのせいで腰いたい』
「老人かっ!」
ビシッ、とツッコむと、『それよりも何かして遊ぼ』と。
ひっでぇ、俺のツッコミは無視かよ。
やっぱりガキってのは分かんねぇ生き物だ。
再びため息をつき、俺をジッと見つめてくるAにへらっと笑った。
「そんなに見つめんなって」
『……。』
「…へーへー、わかりましたよオジョウサマ。
んで、何して遊ぶんだ」
『ほんよんで』
「…はぁ?またかよ…。
なんかこう、女の子らしい遊びはいいのか?おままごと?とかよ…それじゃあお友達(笑)にハブられるぞ」
『いいの。わたしはおままごとしてハブられるより、ほんよんでる方がしあわせだから。』
大人びた発言をみせ、そこに積んである本の山をごそごそと漁り始めた。
何度目かもわからないため息をつき、天井を仰ぐ。
最近は壊理がいない時にコイツの部屋を行き来してる。
Aが何か企んでるかを、白黒させるため。
服を見たのも、部屋を見たのもそれ。
「急に服や部屋を探し始めるとAは勘づく。まずは目で確認しろ」
と若からのお達しだった。
…よく見てるよ、あの人は。
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あんころ餅 - とても面白いです!!この小説とショタ主の方両方見ました!!両方ともとっても好きです!!これからも頑張ってください。 (2020年1月29日 22時) (レス) id: 0e111988c0 (このIDを非表示/違反報告)
まいこはん - おもろい!!!! (2020年1月20日 21時) (レス) id: d1220536e3 (このIDを非表示/違反報告)
(´・ω・`) - 最&高です!頑張って! (2020年1月20日 16時) (レス) id: 03f6bf06e7 (このIDを非表示/違反報告)
46(プロフ) - とても面白いです!こういう作品大好き(ノ´∀`*)頑張ってください! (2020年1月20日 1時) (レス) id: 06efcbf80c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:イケメンになりたい。 | 作成日時:2020年1月19日 18時