５、バレる……？ ページ5
・
ガーデンテラスで女子を見かけた。
そういう羽風に、肝を冷やす。
｢……女子ってなんだよ、あんずか？｣
笑えるくらい自然に返事をする俺。
夏休み過ぎて学校に慣れたせいか
考えなくても知らないふりが出来る。
｢いやいや、あんずちゃんならそういうって｣
｢じゃあ誰だよ、俺とか言ったらぶん殴るぞ｣
｢残念ながら、今度ばかりは違うんだよな〜｣
そう言って、羽風は鼻歌を歌い始める。
何やら証拠の写メがあるらしい。
普通にフラグ立ってんだけど。
｢この子！この金髪美女！｣
俺らに見せつけて来た写メ。
草木で服装までは分からないけど、確かに女子だ。
｢金髪美女て｣
サクッと突っ込む瀬名、その横で内心落ち着かない俺。
だって俺だし。普通に俺だよ、クソ野郎。
バッチリ寝てるとこ撮られてる、最悪だ。
ウィッグが茶髪でまだ良かったものの
バレるのも時間の問題か……？
｢ふーん……、なんで声かけなかったんだよ｣
絶体絶命な状況なのに、何故か言葉が出る。
自分からフラグ立ててどうするんだよ。
｢その時集合かかってたみたいでさ
先生が怖い顔して呼びに来て無理だった｣
なるほど、先生グッジョブ。
｢瀬名くんも見なかった？あの辺りでラリーしてたじゃん｣
｢さぁ？猫と遊んでるこいつは見た｣
｢えっ、じゃあもしかして！｣
羽風が頭上から覗き込む。
瀬名も余計なこと言いやがって。
｢見かけてねぇよ、こんな目立つやつ｣
俺だしな。
｢あーあ……先生が来なかったらなぁ｣
｢どっちにしろ寝てたんでしょ〜？｣
｢そーそー、声掛けられねぇって｣
ガッカリする羽風に、二人で励ます。
瀬名は普通に励ましてるんだろうけど
俺は今度こそ本当に安心した。
次からなるべく気をつけよう。
羽風は喜ぶかもしんねぇけど、俺が無理だ。
一度乗りかかった船だ、そう簡単に沈むかよ。
改めて決意を固めると、羽風はレッスンがあると消えた。
多分あんずがプロデュースするんだろう。
あの子もあの子で、割とご苦労なことだ。
ここにいないあんずに敬意を払ってると
いつの間にか、教室がガランとしていた。
｢うっし、じゃ、俺も帰るわ｣
｢あ、待って、ちょっと聞きたいことがある｣
俺が立ち上がり、鞄を取った瞬間
珍しく瀬名が俺を引き止めた。
瀬名の表情が妙に怪しく、少し身構える。
｢……どうした、急に｣
｢今日、面白いの見ちゃってさ｣
スマホを俺に見せる。
画面を見て、俺は目を見開いた。
｢俺、言ったよね？｣
｢猫と遊んでる『あんた』を見た……ってさ｣
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 496人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「あんスタ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
nekosugi - 色んな作品楽しみにしてます！！ (2018年3月29日 18時) (
レス) id: f7266d588f (このIDを非表示/違反報告)
莉緒(プロフ) - nekosugiさん» 是非！よろしくお願いします！ (2018年3月28日 1時) (レス) id: a945d15bb6 (このIDを非表示/違反報告)
nekosugi - 私もせなくん好きですよ！もしよかったら友達になりませんか？ (2018年3月21日 21時) (レス) id: f7266d588f (このIDを非表示/違反報告)
莉緒(プロフ) - nekosugiさん» 私は元真緒くんでしたけど、今は瀬名くんです！ (2018年3月3日 23時) (レス) id: a945d15bb6 (このIDを非表示/違反報告)
nekosugi - 莉緒さんは、あんスタで誰が好きですか？ (2018年3月3日 15時) (レス) id: f7266d588f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
