３４、従兄弟の教え ページ34
・
｢うわっ？！なんだよこれ……！｣
トイレ全体に、俺の声が響く。
そのような大声を出すくらい、わかりやすい点がある。
赤く広がる花のような跡に、思わずさっきのことを思った。
『俺が｢ご主人様｣ってこと、忘れた？』
瀬名の声が、脳裏に響く。
『やっぱり、あんたの方がいい』
表情が、目の奥に焼き付いてる。
頭を振って忘れようとしても、暇さえあれば
あの甘い記憶を、思い出してしまってる。
本当にどうかしてる、そんな時間はないのに。
まるで、操られてるように
あいつのことしか、考えてない。
｢はぁ……、マジであいつ、何しやがったんだ｣
気づけばかなり目立つような跡をなぞる。
｢―――教えてあげよっか｣
その瞬間、入り口の方で声がした。
振り向くと、微笑して後ろで手を組む桜咲。
｢ど、どうした？なんかあった？｣
｢それはこっちのセリフ、様子がおかしかったからついてきたの｣
そう言いながら桜咲は、俺との距離をつめ
｢それより｣と、赤い跡を指した。
｢これ、何のあとか知りたくない？｣
｢知りたい、けど、なんでお前がわかんだよ｣
｢最近の男子高校生は知ってるよ〜？｣
Aはウブだから、知らないよねぇ〜。
って、余計なお世話だこの野郎。
少しイラッとして桜咲を見る。
桜咲はくるっと舞って、ため気味に言う。
｢それはね……、―――キスマークって言うんだよ｣
｢……はぁ？｣
口元に人差し指を当て、小さく笑う。
そんな桜咲を怪訝そうに見つけて返す。
確かにアニメとかでは聞いたことあったけど
……これが俗に言う『それ』なんだとしたら
小指打撃だけじゃ足りなかったな。
髪引っ張ってハゲさせなければ。
｢……ふーん、心当たりあるんだ｣
瀬名対策に頭を悩ませてると、桜咲が真顔で言う。
すぐに言い訳をしようと口を開く。
｢心当たりはねぇよ、大体そういうのじゃねぇって｣
単に引っ掻いた跡じゃねぇの、とその場を動く。
桜咲が背後に回り、入口付近まで来た。
｢……Aさぁ｣
桜咲が放つ。
俺が動きを止めると、続けてこういう。
｢……脅されてない？瀬名っちに｣
その言葉が出るとは夢にも思わなかった。
みたいな表情を作り、桜咲の方を振り向く。
｢その跡がついたのって、瀬名っちと遅れて来た時じゃん｣
｢……気づいてなかっただけだろ｣
｢嘘言わないで！｣
珍しく大声で叫ばれ、ちょっとだけたじろいだ。
そのまま桜咲を見つめてると、徐に口を開いた。
｢……もう、終わりにしなよ｣
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おみくじ結果は「末凶」でした！
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nekosugi - 色んな作品楽しみにしてます！！ (2018年3月29日 18時) (
レス) id: f7266d588f (このIDを非表示/違反報告)
莉緒(プロフ) - nekosugiさん» 是非！よろしくお願いします！ (2018年3月28日 1時) (レス) id: a945d15bb6 (このIDを非表示/違反報告)
nekosugi - 私もせなくん好きですよ！もしよかったら友達になりませんか？ (2018年3月21日 21時) (レス) id: f7266d588f (このIDを非表示/違反報告)
莉緒(プロフ) - nekosugiさん» 私は元真緒くんでしたけど、今は瀬名くんです！ (2018年3月3日 23時) (レス) id: a945d15bb6 (このIDを非表示/違反報告)
nekosugi - 莉緒さんは、あんスタで誰が好きですか？ (2018年3月3日 15時) (レス) id: f7266d588f (このIDを非表示/違反報告)
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