１９、鈍いやつ ページ19
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レッスンが終わって、解散となった練習室。
部屋には瀬名と俺だけになり、静かになった。
｢さてと、教えるのはダンスだけだよねぇ｣
｢あぁ、歌は何とかなってるみたいだからな｣
俺はそれに返事をして、着替え始めた。
それに瀬名がぎょっと、身を引いた。
｢あんたねぇ……、更衣室使いなよ｣
｢だって面倒だし、瀬名はもう分かってんだし、いいだろ｣
どうせ体操服だからな。
それにダンス教わるだけなんだし。
考えを改めず、そのまま着替えを続行。
すると突然、不思議な感覚に包まれる。
｢……鈍すぎだから｣
後ろの方から、それもすぐ近くから声がする。
肩の辺りから抱きしめるように、瀬名が触れていた。
驚きのあまり、声も出なくなる。
｢そういう警戒は、もうちょっとした方がいいよ｣
優しいようで、強く言う瀬名。
俺はゆっくりと口を開く。
｢せ、せな｣
｢もう少し、女って自覚、したら？｣
｢……っ｣
｢こんなところでさ、俺に襲われるとか思わないわけ？｣
何されたか、忘れたの？
そう耳打ちされて、肩に力が入る。
震えるせいで返事が出来なくなり、頷いた。
しばらく間があって、徐に目を開けた時、瀬名が離れた。
｢……わかったなら、いいよ｣
瀬名の方を向く。
見えたのは後ろ姿で、配慮してくれてると分かった。
着替えを終えて瀬名を呼ぶと、意外そうにいう。
｢……ウィッグ取ったんだ｣
｢汗とかで蒸れると、洗うの面倒なんだよな〜｣
まとめていた髪を一度下ろして、ゴムをくわえる。
ポニーテールにでも結び直しそうと、髪をあげた。
ゴムを手にかけたところで視線を感じ、そちらを見る。
目線の先には、惚けた顔でこちらを見る瀬名。
｢ん？どした？｣
｢……別に。早くしてよ、時間ないんだから｣
｢あー、悪い悪い｣
｢まったく……、俺を待たすなんていい度胸してるよねぇ〜？｣
と、言いつつ待ってくれるクセに。
相変わらず素直じゃないやつだ。
なんだかんだ言っても、良い奴だから。
｢ありがとな、瀬名｣
｢……なにが？｣
『ご主人様』だとか、『命令』とか言う割に
俺がここにいる理由も、聞かないでくれてる。
確かにムカつくやつだけど、それには感謝してる。
……だから、『ありがとう』。
｢友達でいてくれて、ありがとな｣
情けなく笑ってしまった俺に、瀬名は何も言わない。
それに大して何も思わず、準備運動を始めた。
｢……友達、ね｣
悲しい顔をしてるとは、つゆ知らず。
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nekosugi - 色んな作品楽しみにしてます！！ (2018年3月29日 18時) (
レス) id: f7266d588f (このIDを非表示/違反報告)
莉緒(プロフ) - nekosugiさん» 是非！よろしくお願いします！ (2018年3月28日 1時) (レス) id: a945d15bb6 (このIDを非表示/違反報告)
nekosugi - 私もせなくん好きですよ！もしよかったら友達になりませんか？ (2018年3月21日 21時) (レス) id: f7266d588f (このIDを非表示/違反報告)
莉緒(プロフ) - nekosugiさん» 私は元真緒くんでしたけど、今は瀬名くんです！ (2018年3月3日 23時) (レス) id: a945d15bb6 (このIDを非表示/違反報告)
nekosugi - 莉緒さんは、あんスタで誰が好きですか？ (2018年3月3日 15時) (レス) id: f7266d588f (このIDを非表示/違反報告)
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