１６、『Knights』 ページ16
・
｢それだけじゃないぞ！おれたちには見せ場がある！｣
俺の話を聞いて、月永が叫ぶ。
月永の言っているのは、ダンスやファンサのことだろう。
確かに『Knights』は、そういうものが特に際立ってる。
｢そうだな、お前らのステージはいつも最高だよ｣
『Knights』は古いユニットで、月永が先導していた。
それを補助する形でいたのが、瀬名だった。
理不尽なことや、どうしようもない壁にぶつかって
今の『Knights』が確立してる。
今年の二月に転校してきた俺は、そんな夢ノ咲の実態を聞いていた。
一年前までは興味すらなかったのに。
見向きもせず、否定し続けていたのに。
｢お前らを見ると、明日も頑張ろうって思えるんだよな｣
誰にも関わらず、ひっそりと過ごそうと思ったのに
夢ノ咲学院は、そうはさせてくれなかったんだ。
｢おれはミズの歌声、気に入ってるぞ！｣
｢歌ったことあったっけ｣
｢ガーデンテラスで歌ってるの、勝手に聞いた！｣
｢勝手に聞いたんだな……｣
ガーデンテラスって人気なんだな……。
基本誰もいないと思って警戒緩めてるけど
これじゃあ瀬名の二の舞になってしまう。
｢……いつでも気を張っとけって話だよな｣
｢ん？なにが？｣
｢独り言だよ、ほら、ついたぞ｣
レッスン室の前に到着し、後ろにいる月永に教える。
前に向き直ると、部屋の前の廊下にいる二人が。
｢あ、王さま来たんだ｣
｢あらほんと、あんたよく見つけられたわねェ｣
なかなかの塩対応の二人に微妙な表情をする。
こいつらが一応『Knights』なんだよな……。
よく考えると瀬名も月永もメンバーだもんな。
あの失礼な後輩が、まだマシに思えるくらい騎士っぽくない。
｢どうする？想定外に早いよ｣
｢そうねェ……、とりあえず泉ちゃんに報告して……｣
礼もなしかよ。別にいいけど。
｢そうだ！ミズの歌声聞きたい！｣
｢急に？！しかも今ここでかよ？！｣
｢あぁ！この曲歌ってみて！｣
そう言いながら何かを押し付けられる。
見るとそれは『Knights』の曲だった。
｢しかもこれって……｣
｢ミズの高音に合うと思う！歌って歌って！｣
｢……ったく、しょうがねぇな｣
口では面倒がっても、本心はノリノリだった。
偶然かもしれないけど、この曲は俺が好きな曲。
『Knights』の中で、1番よく聞いてる歌だった。
大きく息を吸って、歌い出す。
頭の中で再生される、このメロディーに乗って。
やっぱり、『Knights』の曲はすごい。
歌が、雰囲気が、後押ししてくれるから。
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 496人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「あんスタ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
nekosugi - 色んな作品楽しみにしてます！！ (2018年3月29日 18時) (
レス) id: f7266d588f (このIDを非表示/違反報告)
莉緒(プロフ) - nekosugiさん» 是非！よろしくお願いします！ (2018年3月28日 1時) (レス) id: a945d15bb6 (このIDを非表示/違反報告)
nekosugi - 私もせなくん好きですよ！もしよかったら友達になりませんか？ (2018年3月21日 21時) (レス) id: f7266d588f (このIDを非表示/違反報告)
莉緒(プロフ) - nekosugiさん» 私は元真緒くんでしたけど、今は瀬名くんです！ (2018年3月3日 23時) (レス) id: a945d15bb6 (このIDを非表示/違反報告)
nekosugi - 莉緒さんは、あんスタで誰が好きですか？ (2018年3月3日 15時) (レス) id: f7266d588f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
