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第五問目 ページ9








「貴方と喋っているおかげで五時を過ぎたじゃないの。
 五時半から見たいテレビの再放送をやるの。学校から自宅まで30分じゃ間に合わない」




淡々と、俺を睨みつけながらそう告げた花本Aの表情は相変わらず崩れなかった。

冷酷でいつでも同じ表情の鉄仮面は、そういうなり教室を出て行ってしまった。






「くそ、いやぁぁぁな女だなぁ!」





1人取り残された教室で、そう叫び声をあげる。
先ほど『キスぐらいで大袈裟な…。』と言ったが、実はさっきのが俺の初ちゅーだったりする。



あのつまんない地味女より優位に立つためについた浅はかな俺の虚勢。
唇を手の甲で何度もこすり、俺はこの教室に来た目的を思い出した。



机の中から忘れ物であるスマホを取り出すと、そのまま怒りに任せて大股で歩く。







くそ、くそ、あのクソ女。

そう悪態をつきながら校舎を出ると、校門で花本Aが小走りで走っているのが見えた。



走るの遅い。そう思いながらも、歩幅を変えることなく歩く。
するとやがて、俺は花本Aに追いついてしまった。



少し迷ったが、俺は意を決して足を速める。









「走るのおっそ」

「は…」





鉄仮面がようやく崩れた。
間の抜けた声を聞けて、少しばかり満足感を胸にためる。



どうやらコイツと同じ方向らしい。
大股で歩く俺を、花本Aが小走りで付いてくる。







「なに、お前。家こっちなの」

「...うん」





世間話をしてみるが、それ以上の話題は続かない。つまんない女。友達できないタイプだな、こりゃ。



人通りの少ない道に来たあたりでさすがに気まずさを感じ足を速めようか悩んでいると、鈍い音が微かに聞こえてきた。


シャッターの降りているビルとビルの細い隙間。
そこから笑い声と、鈍い音。




喧嘩でもおっぱじめてるわけ?
そう思いながら、好奇心半分でそこを覗いてみる。


___そこにいたのはよその高校の制服をきた男三人組と…。
 その三人組に胸倉を掴まれている、怪我を負った俺の弟、一松だった。









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さっきゅん - 面白いです!更新待ってます! (2018年2月12日 9時) (レス) id: eda7096c6e (このIDを非表示/違反報告)
!! - おそ松さんは特に好きでは有りませんが面白そうで続きが気になってしまいます。僭越ながら読ませていただきますね。なんか上から目線っぽくてすみません。 (2018年2月5日 0時) (レス) id: b5ffa42208 (このIDを非表示/違反報告)
青歌 - うおぉ!まま松さんの新作だ!楽しみが一つ増えてしまった…笑がんばってください!! (2018年2月2日 23時) (レス) id: fb0e3e82b8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まま松 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年2月2日 21時

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