検索窓
今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:7,623 hit

1話 ページ2





放課後の教室で。自分の席に座り、クラスメイトがグラウンドで部活動に勤しむのを横目に私はノートにペンを走らせる。


窓から差し込む夕焼けは、手元の文字をしっかりと照らしてくれている




野球部の威勢のいい掛け声も、たまに吹く風の音も。全部心地の良いBGM。勉強をするには最適の場所だ



びっしりと数式が並んでいる参考書のページをめくり、私は問題を解きはじめる。






私の名前は鈴木A。性格は人に良く真面目と言われる。言ってしまえば、つまらない人間。
私はいつも、放課後のこの時間勉強をしている


私は定期テストで学年1位の学力を誇っている




それも、私には勉強しかないからだ

友達はいない、趣味は読書。得意な事は勉強。休日は勉強か読書。




ずーっと、勉強しかしてこなかった
勉強をすれば、必ず結果として返ってくる





___ガラッ


大問3の(4)の数式を解こうとしていた瞬間、教室のドアの開く音がした

誰だろう。と思っても顔はあげない


目が合ってしまったら気まずいじゃないか。
ていうか、放課後に勉強している根暗だと思われたかもしれない。


別にいいけど。




ともかく気にしないことを誓った私はまたシャープペンを走らせる

複雑な計算式。これは少し手強いかもしれない。応用問題か。あ、ここを展開すれば。
心の中で何度もつぶやきながら、問題を解いていく




もう少しで解けそう_____


そう思った瞬間、ガタンと机が揺れた。
ドクン、と心臓が大きく鳴って走らせていたシャープペンの動きを止めた



視線だけをわずかに動かすと、私の机に何者かの足が乗っていた
机で脚を蹴られたのだとようやく理解する




顔を少しずつ動かしてその足の持ち主を見てみれば、私は顔をしかめた







_____松野おそ松






松野おそ松は私の隣の席の机に腰を下ろし、片方の足を私の机に乗せていた
赤いパーカーを着用し、制服を着崩してる



せっかくの心地よいBGMが、この雑音のせいで台無しだった







「放課後もお勉強?ごくろうさんだね、委員長」





にやりと口の端を吊り上げる松野おそ松。

普段なら、デレデレした締まりのない顔を女の子たちに見せるのに。彼は私にだけ、こんな気味の悪い笑顔を見せてくる






まるで、悪戯を企む悪童のような

嫌な笑顔を







2話→←設定



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.5/10 (23 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
41人がお気に入り
設定タグ:おそ松さん , 学生松
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

虹色人間(プロフ) - ストーカーって意味一つじゃなかったんだぁ……石炭をくべる係www (2017年5月3日 12時) (レス) id: 19af9aba03 (このIDを非表示/違反報告)
弱井(プロフ) - うわぁぁあぁっ!!続きが気になります(*´ω`*)更新、楽しみに待ってます! (2017年4月22日 21時) (レス) id: 156be97d0d (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:まま松 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年4月22日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。