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雨は通り雨だったようで、少し濡れた地面を彼と2人で歩く。
「今更だけどおねーさん、独身?」
「独身じゃなかったら貴方のこと拾わないでしょ」
「そりゃそうだね」
行きは1人だったのにどうして帰りは2人になってるのか、自分でも自分の行動が不思議だ。
「ついた。ここだよ」
「え、ここ?随分とまたいい家の飼い主さんに出会っちゃったな。俺は幸せ者だね」
随分と呑気なものだ。どうしてこうも初対面の人間を信頼できるのか。
ヤケクソで借りたタワマンは、確かに1人で暮らすには広すぎたかもしれない。
エレベーターで自分の部屋がある階まで上り、家のドアを開ける。
「どうぞ」
「お邪魔しまーす。あ、もうただいま、なのか」
彼は躊躇無く部屋に入った。
無防備なのはどっちなんだろうな、よくよく考えたら私の方が危機管理能力ゼロかも。
名前すら知らない素性不明の男を部屋に上げるなんて。
「気に入った?」
「うん、とっても。
そういえば、俺としたことがお名前聞いてなかったね。おねーさん、なんていうの?」
「私は…AAだけど。貴方こそなんていうの?」
「おねーさんが名前つけていいよ」
「はぁ?」
「俺、適当にミケくんとかポチくんって呼ばれてたから」
彼は、今までもこんな生活をしてきたのだろうか。
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なみの - おわああああああ尊すぎる!!最高!天才! (10月10日 20時) (レス) @page47 id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
美織(プロフ) - ぴーなつここなつさん» お返事遅くなってしまい申し訳ございません。お楽しみいただけたようで何よりです。読んでいただきありがとうございました! (2022年1月6日 18時) (レス) id: 991747ea37 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーなつここなつ - 読む事が止められないです…! (2021年10月25日 15時) (レス) @page47 id: 5cb3497c96 (このIDを非表示/違反報告)
美織(プロフ) - きゅうりさん» 勿体ないお言葉ありがとうございます…!楽しんでいただけたようでなによりです! (2021年3月8日 23時) (レス) id: 991747ea37 (このIDを非表示/違反報告)
きゅうり - とっても面白かったです、、、文才ありすぎです、、、、 (2021年3月8日 23時) (レス) id: 6118eb0aad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美織 | 作成日時:2021年2月6日 21時