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『ぅう…ぅ〜…』
「朝から何で唸ってんの？」
『…あちこち痛いねん』
「慣れへんことしたからやろ」
『…優しい狼さんやと思っとったんになぁ』
「羊さんがあまりにも美味しそうやったもんやから、ついがっついてしもたわ」
『……そういうのいいから』
「はいはい」
照れ隠しの毒舌も、相変わらず心地よい。
枕にうつぶせの状態で顔を埋め、シーツに包まるAは、どこか嬉しそうにも見えて、取り敢えず頭を撫でておいた。
『…シッマ達、今頃何しとるんやろ』
「何やいきなり、何からそんなあいつらが連想されたん」
『いやなぁ？鬱とおる時間が一気に増えたやん、やからか知らんけど、何か、今何しとるんやろって考えてしまうんよね』
「今頃ゲームでもしとるんちゃう？」
『…久しぶりに遊びたいなぁ』
「…寂しいん？」
『んふ、ヤキモチ焼いとるやろ』
嬉しそうに笑い、頭の上に置いた俺の手を遊ぶようにして掴む。
揉むようにして触れたり、手のシワをなぞったり、繋いでみたり。
俺はただただそれを見つめるだけ。
『ちゃんと鬱は鬱、皆は皆って割り切っとるよ、大丈夫、今更嫌いになんてなれへんから』
「…付き合ってから、違うって思うカップルもおんねんで？」
『鬱は、うちといて違うって思ったん？』
「思ってへんよ」
即答すれば、驚きながらも笑い、そしてそういうこと、と頭を小突かれた。
Aは布団から出たと思うと、すぐに俺の脱ぎ捨ててあった服に腕を通し、散らばっていた服を集めた。
『お風呂、入ろ』
「湯船冷めとるで？」
『シャワーだけ、ゆっくりしたいけど、おばさん達に何言われるかわからへんから』
「でもしんどいやろ、お湯はってもええねんで？」
『ええから、早よ、背中流したるから』
いいったらいいの！みたいな台詞が似合いそうな顔でそう告げられれば、腰を下ろしているわけにはいかない。
着替えのをAの分も持って、2人で風呂場へと向かった。
『お腹空いたなぁ』
「運動したからちゃうの」
『…あれ運動言うの？』
「カロリー消費はあまりしてそうやないけど」
『この話嫌や』
「シッマ達の会話でしょっちゅう出てきてたやん」
『…それは別やねん』
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作者名：そういろね | 作成日時：2019年4月4日 4時
