僕らのはんぶん。 (ページ38)

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夜、いつもと同じように
照史くんを玄関で迎える。

「おかえり！」

「ただいま」

いつも通りハグ…と思ったけど、
なんだかいつもより軽めのハグだった。

「今日のご飯は～？」

「焼うどん！」

「やった！」

…いつもの笑顔じゃない。

「照史くん」

「ん？」

振り返った照史くんは笑ってるけど、
なんだか悲しそうな顔をしている。

お仕事で何かあったんかな。

何も言わずに照史くんを抱きしめる。

「えっ、どしたぁん！
珍しいやん、Aからハグしてくれるん！」

無理には聞かない。

「照史くん、今日もお仕事お疲れ様」

「ありがとぉ」

「照史くんが楽しそうに
お仕事してる姿、好き」

「うん」

「照史くん、うちが悩んでるとき
いつも『大丈夫』って
側におってくれるやん？
あれ、すごい安心する。」

「…うん」

「大丈夫やで」

「…何、が？」

「んーん、言いたくなっただけ。
うち、照史くんの彼女になれて
ほんとに幸せ。

これからもずっと大好きやで」

そういうと、
照史くんは返事をしなくなった。

その代わりに少し震えてた。
泣いちゃったかな。

我慢せずに泣いたほうがいい。
照史くんがいつもしてくれるみたいに、
うちがずっと抱きしめるから。

こんなときは、私に抱きしめさせてね。

「ありがとう、A」

うん、やっぱり。
照史くんは、
笑顔が1番かっこいい。

そのあと、
２匹も私と照史くんに飛びついてきて、
照史くんが下になって倒れてしまった(笑)

「幸せの重みやぁ～！(笑)」

なんて、笑ってたけど(笑)

これからもずっと、
一緒にいられますように。

もさを。/ ぎゅっと。