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土方side
「……A?」
「……」
さっきまでずっと喋っていたはずのAの声が突然途切れたと思えば眠りに入っている様子だった。
「おい、A」
少し肩を揺らすとAがうっすら目を開けた。
「……ん〜…?」
「部屋戻れ。ちゃんと布団も揃えてある」
「……」
どうやら寝ぼけているようだ。その上酔いも少し回っている。うっすら開けていた目もいつの間にかまた閉じていた。
「おい、風邪引くぞ」
「…ここで寝る…」
「お前なあ…布団も無ェんだぞ」
Aがまた目を開けたと思えば、睨みをきかせて俺を見た。
「あんたねえ…私がどんだけ向こうで寂しい思いしてたかあ…分かってんの?」
Aは上手く舌が回っていなかった。
そんな状態のAが言った言葉に思考が完全に停止した。
「ぜんっぜん電話してこないし……もう私の事忘れちゃったのかなって思って…」
Aは話すにつれて目に涙を浮かべていった。
寝ぼけているより酔いの方が強い様だ。
意地っ張りのAがこんなこと絶対に言わないし、それにこんな姿他人に見せるわけが無い。
「あぁ…もう…悪かったよ…!」
今にも泣き出しそうな目をしたAの頭を乱暴に撫でた。
「あんたさあ私が酔ってると思ってんの」
「あァ…?酔ってんだろうが」
「酔ってねーよ!!!」
「…分かったからもうお前喋るな、うるせェよ」
酔ってないと言う割には目の焦点も合っていない。
こんな状態のAをどうやって部屋まで連れ帰るか試行錯誤しながら本日何回目か分からないため息を連発した。
すると座っていたAがようやく自分で立ち上がった。
「もういい帰る」
「なんでキレてんだよ…」
「きれてな___」
その瞬間Aの足下がふらついた。
なんとか受け止めて横転は防いだがもうあまり力も入っていないようだ。
「ほら、おぶってやるから乗れ」
そう言うと案外素直に背中に乗ってきた。
そしてそのまま部屋を出てAの部屋へと向かった。
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阿呆代表の神(プロフ) - なんやねんこの凄い作品は。有料でも良いくらい素晴らしい作品。 (2021年3月9日 21時) (レス) id: 10eaece567 (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです( ; ; )更新頑張ってくださいーー! (2021年2月1日 1時) (レス) id: e52e19fe2f (このIDを非表示/違反報告)
れんか - めっちゃ面白い(笑)更新頑張ってください! (2021年1月29日 11時) (レス) id: b5b9f86a00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちーずなん | 作成日時:2021年1月28日 23時