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「いいや、狙う価値ならあるな。
つい最近まで地方に居たお前の戦力が真選組にとって大きい事は攘夷志士なら誰でも知ってるさ。
そいつが帰ってきたってんなら早めに仕留める他無いだろう」
「確かに一理あるね。でもさっきと言ってること矛盾してるけど大丈夫かしら」
「そんな口を聞けるのも今のうちだ」
次々と刀を抜いていく浪士を見て私も刀を抜いた。
こんな人数相手なんて最初は少々気が引けたが自分の力がどの程度なのかわかるいい機会だ。
挙句の果てには武者震いなんてしてしまう始末で。
「(死ぬか、死ぬ前に土方が来るか、土方が来る前に全滅させるか…どれかな)」
「覚悟は良いか、蘆名A」
「何処からでもお好きに」
「フッ……死ねェ!蘆名ァァァ!!」
*
土方side
「悪ィ総悟、任せたぞ」
「へいへい」
もうそろそろ敵も片付きそうだった頃、Aから呼び出しをくらった。
まだ浪士は残っていたが、総悟が居れば問題無いだろうと来た道を戻る。
Aは自他ともに認める気分屋、まさか本当に来るとは思っていなかった。
「(それにしても、まだ生きてる浪士を何十人も見逃す訳無ェ。きっと元からA狙いだろうな…)」
暫くすると、近くで大きな爆発音がした。
きっとAが戦っているのだろう。
急いで音の鳴るほうへ走って向かった。
曲がり角を曲がった時、爆発した痕跡が沢山見えたと思えば、それと同時に女の影も見えた。
「…遅い、もう片付いたんだけど」
倒れる浪士の上に堂々と座るその女は
俺を呼んだ張本人、Aだった。
「これ…一人でやったのか」
「当たり前でしょ、他に誰が居るってのよ」
Aは立ち上がると俺の元へ来て頬をつねった。
「っんだよ!」
「私が!!強くて!!良かったね!!」
「あァ悪かったよ!!」
「こいつら手榴弾持ってたのよ!?本当に…」
「そんなんで死ぬタマじゃ無ェだろうが、それに____」
するとAは俺の頬から手を離し、目を点にして突然俺を押しのけた。
Aの顔が酷く歪む。聞き覚えのあるグサッという音がすぐ近くで聞こえた。
「A!!!」
目の前には浪士に刀で刺されたA。
生き残りか、それか応援が来たか__
そんな事を考える暇はなかった。
倒れたAの上半身を起こし何度も呼びかけていると、Aを斬った浪士はとっくに逃げてしまっていた。
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阿呆代表の神(プロフ) - なんやねんこの凄い作品は。有料でも良いくらい素晴らしい作品。 (2021年3月9日 21時) (レス) id: 10eaece567 (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです( ; ; )更新頑張ってくださいーー! (2021年2月1日 1時) (レス) id: e52e19fe2f (このIDを非表示/違反報告)
れんか - めっちゃ面白い(笑)更新頑張ってください! (2021年1月29日 11時) (レス) id: b5b9f86a00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちーずなん | 作成日時:2021年1月28日 23時