#172 ページ10
R.Yサイド
もうすぐ3月＿
新生活が始まる世の中。
街は一気にお祝いモード。
出演中のドラマが好評とAが喜んでいた。
そんなほのぼのした日常が続く
そう思っていた。
prrrrrrrrrrr＿
この電話があるまでは。
宏太「はい、薮です。社長?!…はい、はい。わかりました。」
大貴「社長からなんて珍しいね。どうしたの？」
今日はAも俺らも仕事が休みで家にいた。
宏太「事務所に来いって…」
雄也「なんかやったの、大ちゃん」
大貴「なんで俺?!」
侑李「Aは、小杉さんに預けないとね」
宏太「ううん、Aも」
涼介「…とりあえず向かおう」
Aも一緒ということは、確実にAに関してのことだ。
事務所に向かっている間、Aは嬉しそうにいろんなことを話していたが、なぜか何も聞けなかった。
それはきっとこれから話されることが俺たちにとって素直に喜べることではないとどこかで勘づいていたからであろう。
・・・
A「小杉！」
事務所の受付の隣に小杉さんがいた。
小杉「お待ちしておりました。社長がお待ちです。」
A「おじさま？」
小杉さんと手をつないでいるAの後ろについていった。
その間、俺らの間で会話はなかった。
・・・
小杉「社長、小杉です」
社長「どうぞ」
中に入ると、見たことにない人。
小杉さんに促され、ソファーに座る。
Aは俺の膝の上…ではなく社長の元。
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