42.秘密の方法 ページ45
学秀「もしかして、約束した?
全ての触手を集めるって。
それってもちろん、母さんの中にある触手も入ってるよね。」
そうだ、タコとは夫と交えて話しをした事があった。
全ての触手を集めたら、私の中にある触手も抜いて欲しいと。
学秀「大丈夫、僕がそんな事をさせないから。
僕がずっと母さんを守るよ。
どんな存在からも、母さんを守るから。」
息子は、私の前でしゃがむと、ギュッと私の体を抱きしめる。
学秀「その為だったら、僕は何だってする……」
悲し気な表情を一瞬見せた息子だったが、私に頬を寄せて甘える様に擦り寄る息子は、微笑んでいた。
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学秀side〜
良いかい。
君の大切な両親を救う方法はただ一つ。
元の世界に連れ帰る為には、ここでの足枷は邪魔になるんだよ。
自称神は言った。
母さんとついでに父さんを救う方法についてを。
足枷……
二人の魂を繋ぎ止めるそれを破壊しろと、神は言った。
人の魂は一人に一つずつ。
決して二つはない。
だから、魂を引き留める足枷を壊せと神は言った。
全く、周りくどい言い方をしやがって。
ただそうあえて言ったのは、少なからず自称神は、僕を気遣っていたからかもしれないと、僕は考えている。
僕がこの世界で背負う事になるであろう罪を伝える為なんじゃないかって。
いいさ
何だってしてやる。
僕は決めたんだ。
母さんを救う為なら……
ずっと眠ったままの母さんを助ける為なら、どんな事だってしてやるって。
たとえ、人の道を外れる事になったとしても。
母さん……
“だって、私の子なんだもの。
どんな貴方でも、私はずっと学秀の味方よ”
僕を思ってくれる人が一人でも居ればいい。
それだけで、僕は救われるんだ。
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翡翠(プロフ) - 更新大変だと思いますが身体に気をつけて頑張ってください (2020年4月17日 7時) (レス) id: 3260124100 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:壱 | 作成日時:2020年1月22日 19時