30.近付く厄介者 ページ32
學峯side〜
椚ヶ丘学園の臨時講師として、来ていた私は、旧理事長室の部屋で、次の講義の為の資料準備をしていた。
ふと、スーツの胸ポケットにしまっていたスマホが振動した為、通知を確認する。
律さんからのメールだった様で、メール画面を開いた。
理事長先生へ
殺せんせーの捜索範囲を広げてみましたが、見つかりません。
ーRITUー
もしかしたら、殺せんせーは……
いや、そんな筈はないか。
ある考えが頭を過った。
それはきっとあり得ない事だろう。
だが、現に私や妻はここで第二の人生を歩んでいるわけだし、何故か息子まで現れている始末。
そんなあり得ない事だらけの世界でなら、私の頭に浮かんだ可能性は、起こっても不思議ではないかもしれない。
途中だった資料準備を再開する為、デスクに顔を向けると、パソコン画面にある人物が映ったのを目にした。
まさか私を訪ねて来るとは……
律〈お呼びですか、浅野理事長。〉
連絡を入れてすぐに来てくれた律さんに感謝し、スマホをデスクに置いた。
画面に映る彼女は、不安そうな表情をしている。
學峯「少し厄介な来客でね。
一応、君にも居てもらおうかと思って。」
律〈察するに、安室さんですか?〉
學峯「半分正解で半分不正解。
50点かな。」
そう伝えれば、彼女は解答を理解したようで、頷いた。
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翡翠(プロフ) - 更新大変だと思いますが身体に気をつけて頑張ってください (2020年4月17日 7時) (レス) id: 3260124100 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:壱 | 作成日時:2020年1月22日 19時