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38.社会科見学 ページ41

学秀「それ、僕の前ではやめてくれないかな……。」



『へっ?』



息子は私の頬に優しく手で触れる。



おいおい、ちょっと待て……



私はちらりと周りを見渡す。



皆んなに見られてるのだが……




学秀「僕の前でだけで良い、可愛いAさんを見せてくれないかい?」



頬に触れて居た手は顎にまで下がり、くいっと上を向かせられる。


ち、近い……



接近して来たイケメンフェイスに、自然と頬が熱くなるのは、当たり前だった。


私は直視出来なくて俯く。



こんな公衆の面前でする事じゃないだろうと言ってやりたいが、息子の方を向いて言う事が出来ない。




世良「おい浅野君、この子…困ってるみたいだぞ。

離れてあげなよ。」




救いの女神が降り立ったのか、息子は私の前から離れてくれた。



いったい誰なのか確認する為、顔を上げれば、黒髪短髪の女の子が息子の後ろに立っていた。



ん?


この顔……どこかで……


既視感を感じたが、その時の私はすぐに思い出せず、後で律にでも確認しようと思ったのだった。





蘭「あれ、もしかしてAちゃん?」



園子「あら、ほんとだ。

前に会った子じゃない!」



そして、前に会った事がある女子達が現れた。



まさか息子と同じ学校だったとは、驚きだぞ。




_____________________




防災センター内の見学が始まった。



私の隣を陣取った学秀は上機嫌なのか、笑顔が絶えない。



それに、上手く小林を丸め込み、私の面倒は自分が見ると息子は言ったらしい。



學峯からは小林から離れぬなと言われていたのに、帰ったら怒られそうだな。




そして息子はと言うと、私の手を握り決して離さず、私の歩くスピードに合わせて、歩いてくれている。


それは有り難い事なのだが……




学秀「今日も可愛いね、Aさん。」



私の手をしっかりと握っている息子に、私は内心ハラハラしていた。



実の息子ではあるが、その異常行動に。



何か、子どもが母親に甘えているのとは訳が違う様な感じで、むしろカップルの様な絡みにさえ感じてしまう。



それに、先程からずっと監視する様に私達を見ている江戸川の視線も気になってしょうがない。




観察と洞察力に長けた江戸川だからこそ、私と学秀の関係に気付かれるのではないかと、不安だった。

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翡翠(プロフ) - 更新大変だと思いますが身体に気をつけて頑張ってください (2020年4月17日 7時) (レス) id: 3260124100 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年1月22日 19時

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