23.英雄は語る ページ25
沖矢side〜
工藤邸のある一室。
自分に当てがわれた部屋で、パソコン操作をし、ある人物を探していた。
沖矢「見つけた……」
お目当ての人物の情報を見つけた所で、室内にノックの音が響く。
外に向かって声を掛ければ、扉が開いた。
??「遅くまでご苦労様……」
来訪者はコーヒーと簡単な夜食に、サンドイッチを持って来てくれた様で、デスクにお皿とマグカップを置いた。
沖矢「ありがとうございます。」
??「何か……今だに慣れない。
別人みたいだわ。」
そう言って自分を覗き込む様な綺麗な瞳に、僕は口角を上げて、ハイネックを下げると変声機のスイッチを切った。
ピッ!
赤井「こっちの方が御所望か……明美?」
明美「そ…そう言うわけじゃないけど……///」
彼女は頬を染めて俺から目を逸らすと、俺の見ていたパソコンに視線を向けた。
赤井「この少年について何か知っているか?」
明美「いいえ、私が聞かされていたのは……死神とあの浅野、それとララが同僚ってことよ。」
赤井「そうか……」
明美「ねぇ、今日ララに会ったのよね。
彼女は元気にしていたの?」
赤井「ああ、久しぶりに会ったが変わらず元気そうだったな。」
明美「そう……」
赤井「それがどうかしたのか?」
明美「……私にもよく分からないの。
ただ、触手の後遺症っていうやつなのかしら。
ほんの少しだけ残った力の所為だけど、何か嫌な予感がするのよ。」
赤井「嫌な予感……?」
明美は頷くと、不安気な表情を浮かべる。
明美「私達にとって浅野Aと言う存在は特別だった。
細胞レベルまで感じるくらい、本当に特別な存在だったの。
近くにいて、それを直に感じていたから分かる感覚だった。」
そう話す彼女が嘘を言っている様には見えなくて、体験した事を噛み締める様に、また確認する様に話していた。
明美「だからなんとなく分かるのよ。
私達の大切な存在に何か起こるかもしれないと言う事が。
確証なんかない、でも何か起こるって!」
必死な彼女の真っ直ぐな瞳からは目が離せなかった。
それ程までに、俺に訴え掛ける様なめをしていたのだ。
明美「私はあの子を守りたい。
きっと私だけじゃやいわ。
だから、お願い……」
赤井「嗚呼、協力する。」
明美は安心したのか、ありがとうと言うと去って行った。
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翡翠(プロフ) - 更新大変だと思いますが身体に気をつけて頑張ってください (2020年4月17日 7時) (レス) id: 3260124100 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:壱 | 作成日時:2020年1月22日 19時