出来妹×駄目妹！【暗殺教室】

兄と父 ページ16

浅野家




リビングにて




Aは出て行きます。






リビングのテーブルに置かれたメモ。





簡素な一言を眺めた家主は、テーブルにメモを戻した。







「Aを見ていませんか？」



そこへ現れたのは、学秀だった。





妹の不在を父に聞くため、リビングにへとやって来たようだった。




「さあ。」





學峯は一言そう答えると、学秀の隣を通り過ぎて廊下へ消えた。




後に残された学秀は、先程まで學峯が見ていたものを手に取る。




「なっ………！！」





学秀はそのメモを握りしめると、消えた父の跡を追った。







既に書斎に戻って来た學峯はデスクに向かって椅子に座り、仕事用のノートパソコンを開く。






ガチャッ！！





「Aを探さないんですか！！？」






血相を変えて書斎に入って来た学秀を學峯は一瞥して、パソコンに視線を戻した。







「何の用かな。

ノックもせず、入ってきて。

私は君に構っている程、暇じゃないんだが。」





その言葉を言い終わった直後、学秀はデスクまで歩いて行った。






「何でAを探しに行かないんですか！！？」




大声を張り上げる学秀に學峯は怪訝そうな顔をする。






「何故？

探す必要があるのかな。


その内帰ってくるだろう。

家出をして逃げるような弱い生徒を気に掛ける時間なんてないからね。」






「あんた、本気で言ってるのか？」





「話は以上かな。

そろそろ、退出しなさい。」




「僕はともかく……

Aだけはって思ってたのに。


あんたには、見損なったよ！！」






学秀はそう吐き捨てると、書斎を後にした。

兄の気持ち→←駄目妹の本音

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す