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駄目妹の本音 ページ15

自室に戻って来た私はベッドに座ると携帯を使ってうまるお姉ちゃんに電話を掛けた。






「うまるお姉ちゃん……」




《どーしたの?》




「家出させて……」




《えっ?


どーしたの!?》




「もう、いや……

パパと喧嘩したの。

こんな家に居たくない……」





《分かった。


なら、こっちにおいでよ。

とりあえず、駅までお兄ちゃんと迎えに行くから。》






「ありがと……」





電話を終えて、リュックを出すと必要な物を詰める。



その後、書き置きをリビングのテーブルに残して、私は家を出た。






_____________________




土間家




うまるお姉ちゃんの元へ家出した私は、持って来たカエルニットに着替えた。






「はあ……」




「何で喧嘩したの?」






隣にはハムスターの被り物を着たうまるお姉ちゃんが座る。



因みに今は美妹バージョンだった。







「パパがね、Aのプライベートを邪魔するの。

Aはパパの言われた通りに外では良い子にしてるのに……


テストだって常に一番だし、模試だって全国トップ。

成績も良いし。

態度だって気をつけてるし。


なのに、これ以上勉強しろって……


私はパパのお人形じゃないのに!!」



もぉぉぉぉぉぉやだやだやだやぁ!!」






隣にいるうまるお姉ちゃんに泣きつく。





「Aちゃん……」




うまるお姉ちゃんは私の背中を撫でてくれた。




そのおかげか、溜まっていたものが吐き出せる様な気がした。






「Aのことをね、褒めてくれたことだってないんだよ。

100点いっぱいとってもそれが当たり前みたいに……

成績が良くても、当然だって。

何もかも出来るのが普通だって……


Aのことなんて、パパは見てないの。」





本当は、本当は……






「パパに見て欲しかった。


Aのこと……



ふっ、くっ……


みてほしかったあぁぁぁぁっ……




うわぁぁぁぁぁぁぁぁんっ」





その日は沢山泣いた。


泣いて泣いて





うまるお姉ちゃんも、タイヘイさんも、Aの側にずっと居てくれた。

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(プロフ) - ちくわさん» コメントありがとうございます。嬉しいお言葉を下さり、励みになります。悪の大罪シリーズについてですが、実は知らなくて、すいません……。「悪の娘』とかがあると名前だけは聞いたことがありますが、分からないです。おススメ作品ですか? (2018年6月1日 21時) (レス) id: eca00d5e47 (このIDを非表示/違反報告)
ちくわ - 面白いです! 悪ノ大罪シリーズとか知ってたりしますか? (2018年6月1日 17時) (レス) id: ae2f86a54b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2018年2月18日 8時

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