第1話 ページ2
No side
「あーもう!」
黒いフードを被った少女は、昼だというのに薄暗い森の中を駆けていく
…正確には木の上を、だが
時折苛立ったように右手を空中にかざし
「風瀑(フウバク)!」
と叫ぶ
するとかざされた空中に、裸眼で見えるか見えないか位の波がうち
ドォォン
爆発した
その爆音に驚いた動物や鳥たちが一斉に逃げだす
少女は多少の罪悪感を持ちながらも颯爽と森の中を駆けていく
どうしてこんなにも少女が苛立っているのか?
それは約2時間程前…
場所は、どの大陸よりも人口が多く最も大きい大陸、アストルティアの首都エルキア
その中心にそびえ立つ王宮…ではなく、王宮の近くの森の中にそびえ立つ一つの党
その先は天に向かって伸びており、党の周りには天使と思われる者達が辺りを警戒するように飛び交っている
その森の中を1人の少女が駆け抜ける
「あーあ、いきなりすぎるんだよ…」
少女はその党に入り、受け付けに立っている女性と話したあと、何やら硝子張りのエレベーターのようなものに乗った
原理は分からないが、受け付けの女性がボタンを押すと、エレベーター内の空中に光が舞う
次第に少女の姿は光に覆われ見えなくなり、光がなくなった後にはいなくなっていた
you side
「失礼します」
「どうぞ」
硝子張りのエレベーターに乗って着いた場所は、簡単に言えば天空だ
つまりは空の上
勿論私は天使でも神でもない
じゃあどうして天空に来れるのか?
それはまたの機会に話すとしよう
許可を貰い、入った部屋は白を基調とした広い部屋
まぁ、この世界をまとめる神様の部屋だ
「呼び出してから30分…中々早かったね」
「ありがとうございます。
所で、ご要件は何でしょうか?」
「そう急かさないでくれ、ちょっと君に頼みたいことがあってね」
「…案内人、でしょうか?」
「流石、察しがいいね。
とある人間"2人"の案内人を頼みたい」
「2人の…?」
「フフッ、資料は君の携帯に送ってあるよ」
「…分かりました。
その命令、承ります」
「うん…あぁそれと」
「?」
部屋を出ようとしたところ、呼び止められたので足を止める
そして私は次の言葉によって驚愕することとなる
そして、慌てて部屋を出ていく
「もうその2人はこっちにいるから、若しかしたら角兎等に襲われてるんじゃないかな?」←
「は、はぁぁあ!?」
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作者名:闇猫少女 | 作成日時:2018年3月7日 18時