実験体少女 (ページ16)

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第14話ページ16

まふside

遅い、遅すぎる

そらるさん達がゲームをしている中、僕は一人Aのことを考えていた

幾ら何でも遅すぎる

散歩に行くと言ってからもう2時間は経っていると思う

何かあったんじゃ…？

外は日が暮れ始め、少しずつ辺りを黒く染めていく

僕は心配になり、そらるさんへと声をかけた

まふ｢あの、A遅くないですか？｣

そらる｢確かに遅いな｣

話し合いの結果、一旦ゲームは中断してAを探しに行くことになった

A…お願いだから、無事でいて

そらるside

まふに言われてようやく気づいた

確かにAの帰りが遅い

外は暗くなり始めている

ゲームは中断し、俺とまふ、うらさかに別れて近くを探し回ることにした

まふ｢そらるさん…｣

まふが今にも消え入りそうな声で俺を呼んだ

そらる｢どうした？｣

この時のまふは少し不安定な状態だ

なるべく優しく声をかける

するとまふは目に涙を溜め、震える声で

まふ｢もし、もしAが無事じゃなかったら、どうすればいいんですかっ…｣

そう言った

多分まふは自分のことを追い詰めている

過去のこともあってか、まふはAに対して親近感を持っていた

だから、余計に責任を感じてしまう

そらる｢大丈夫、大丈夫だから｣

大丈夫としか言えない俺の無力さに失望してしまう

うらたや坂田がいたら、こういう時は盛り上げてくれたり、安心するような言葉を掛けてやれるんだろうな

どうして、俺はこんなにも無力なのだろうか

あの時まふを救ったみたいに、Aも救ってやれないのか

俺はそっと、まふを抱きしめた