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本拠地である隠れ家から外へ出るため路地裏沿いの扉を開けた。
するとドンっと扉に重い衝撃が走った。
苛つきながらも、扉から顔を出して当たったものを確認した。
それは小さい段ボールの中に、毛布一枚包まれた餓鬼だった。
「ったくよーなんでわざわざヴィランの巣窟場に置いていくかなぁ。」
イカれてんなぁ
俺は腰を低くしてガキを見下ろす。
どことなくすやすやと眠る顔が俺の面影を持っている。
すると横に紙切れのようなものが置かれていた。
まさかと思い手紙を雑に広げるとそのまさかだった、、。
内容は俺と肉体関係だけを持っていた同士だった女との間に生まれた俺の子供だと衝撃の内容が書かれていた。
最後の内容ではもう育てられないからと言う文であり、俺はそのまま紙を燃やした。
「相変わらず面倒事押し付けやがって、、あの時殺しとくんだったな。」
とブツブツと一通り喋り終えると、ガキの顔を見つめそのまま蒼い炎を手から出して、首根に触れる寸前だった。
ギュッ
小さい手がもう一つの個性を出していない左手に触れた。
そのまま火傷でカサついた人差し指をぎゅっと小さい手に包み込まれる。
「、、、っ」
その反動で俺はさっきまで出していた炎を消した。
小さくて弱い
俺がこの世で一番望んでない者の筈だ。
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作者名:名無し98864号 | 作成日時:2023年1月31日 23時