従者と皇子の恋って、許されますか…？【練紅覇】

行方不明の従姉妹の存在(悠那side) ページ24

私は部屋へ戻ると魔法道具で叔母様への連絡を試みる


叔母様は、お父様の姉でお父様の次に王位継承権が強かった人なのだけれど…そんな叔母様には娘が1人居たそうなのだ


幼少の頃に誘拐され、それ以来見つかっていないらしいがかなり将来が有望な魔道士だったらしい


私は一度もその叔母様の娘…“従姉妹”というモノに会った事は無いからなんとも言えないのだが叔母様とAという従者の悲しげな横顔が似ていたのは確か


叔母様に見てもらうだけの価値はあると、私は思う



？『あら…悠那から連絡なんて珍しいじゃない。どうしたの？』


｢！雪奈(せつな)叔母様…叔母様に少し、見ていただきたい方が居るのですが…｣


雪奈『私に？』


｢…はい。煌帝国第三皇子紅覇様の従者で…叔母様の、娘の可能性もある者です｣


雪奈『……は？』



叔母様は訳が分からないとでも言いたげな声を上げた


まぁ、それもそうなのだろう。それにこれはあくまで私の推測であって信憑性も低い



｢容姿は、紫色の髪に青い目をしていて…本人曰く幼少に魔力(マゴイ)量を増やし運動能力も格段に上げるという人体実験を受け、魔力量を増やすことには成功したが運動能力向上は失敗した…失敗作だと言っていましたわ｣


雪奈『紫色の髪に青い、目…』


｢それと…叔母様に横顔が似ていたのです。そして、その従者と紅覇様は両想い。…だから…｣


雪奈『…わかったわ。煌帝国に、行く

私の娘なのだとしたら…王位継承権を有している事になるし、国同士の関係は勿論本人達の気持ちも尊重出来る。…そう言いたいのよね？悠那は』


｢…はい｣



私は、紅覇様の事が好きだ。だから…紅覇様には幸せになって欲しいのよ


私は元より王位継承権がお兄様(5人程いる)達が居るからほぼほぼ無いに等しい


お姉様は既に他国へ嫁いだ。だから、煌帝国への縁談が私に回って来ただけの事


私に相手を選ぶ権利など無い。国の為だと言われたらどんな相手であろうと婚姻を結ばなければならない


そしてその相手に想い人が居て、両想いで…そして、可能性と言えるかも分からないがその恋を叶えられるかもしれない希望があるのなら…


私は、出来るのならば叶えて差し上げたい


好きな人の幸せを祈るのは、当たり前の事でしょう？

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