7話 ページ9
急いで2人の元へ向かう。
「純ー、哲ーなんの用ー?」
「おー、A。やっと来たか遅せぇぞ来んのが。」
「すまない、A。仕事もあったのに呼び出して。」
純の態度に腹を立てつつも私の大人な対応でそこを上手にスルーし、私を呼び出した訳を聞く。
「…で、何をするんだ私は」
「ボール出せや」
「…あぁ、やっぱり」
2人が用意してあったボールを使い、ボールを出す。これがマネージャーの仕事なのか?と聞かれるが私も思う。これマネージャーの仕事なのか?と。
以前純がボールを打ちたそうだったが、ボールを出す人がおらず、素振りをしていたのを見てボール出しを申し出たところ…それからずっとこうして付き合わされるようになった。
「はい、いくよー」
ボールを構えた純に出す。相変わらずでかい声で叫ぶ純。まぁうるさいことこの上ない。それを隣で冷静にアドバイスをする哲。
「何たるギャップ…」
ぼそっとつぶやけは聞こえてしまったようで「なんか言ったか!?」と怒鳴られる。
「なんにも言ってませーん!」そう言ってトスを出す。
それから、どれくらい打ったのか途中で哲に交代した。哲のスイングはなんか怖くてバットを振った時の風がこちらにまで感じる…。
「相変わらずのスイングで…」
「いや、まだまだだ。」
まだまだって…。まぁ、哲のバッティングがどれだけチームを救ってきたのだろうか…。こんなすごい選手の練習に付き合えるなんて早々できる経験ではない。
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ボールを結構な数うち、2人はきりあげると言ったのでボールを拾う。途中で哲は片岡監督に呼ばれてそっちへ行き、私と純で片付けをしている。
すると急に純が口を開いた。
「そーいやーお前、御幸に告白されたんだろ?」
「!?な、なんで!」
驚きと共に拾っていたボールを全て落としてしまった。「てめぇ、何してやがる!」と純に怒られたがそれどころではない。
「なんで純がそれ知ってるんだ!」
「なんでって、御幸が言いふらしてるから」
「はい!?」
言いふらしてるってなんだそれ!!あいつ頭おかしいだろ絶対っっ!!!
「まぁ、俺らからすりゃあ、やっと言ったんだなって感じだけどな。」
「…やっと?」
「どっかの誰かさんは鈍感で気づいてなかったみてぇだが、あいつずっとお前のこと想ってたぜ?」
「…え」
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作者名:時雨 | 作成日時:2019年1月16日 20時