【A3!】イージーモードな彼と私【摂津万里】 (ページ12)

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＊一方その頃、2 ページ12

太一side

目の前の激甘スイーツを食べられないと知った十座サンを九ちゃんが励ましていた。

「万里のヤロー！また兄ちゃんをいじめたな！！兄ちゃん！俺、絶対万里のこと退治するから！！」
「いや、大丈夫だ」
「ううっ…兄ちゃん…！優しいしカッケー！」

目の前で繰り広げられるいつもの光景に、談話室にいたみんなと笑っていると、ピンポーンと来客を告げる音が鳴った。

来た…！

そして数名は玄関へ駆け出して行った。
…もちろん、俺も！！！！！

・

真っ先に扉を開けたのは俺だった。

「いらっしゃいッスーーー！」

この挨拶が正しかったのかはわからないけど、ものすごい勢いで扉を開けると、わっ！と女の人の声がした。

「こ、こんばんは…あの、監督さんは…」
「あぇ…」

…めちゃくちゃキレイな人だった。隣にいた万チャンがうい～、たいち～。と手を挙げていたけどそれどころじゃないっス。

玄関の明かりで照らされた彼女サンの目は大きくてキラキラしてて、髪はさらさらだしなんだかいい匂いがした。
お風呂上がりだったのか化粧っ気のない肌も白くて眩しかった。

彼女サンから目が離せないでいると、監督先生が来て談話室へ入って行った。
俺とすれ違う時に小さく頭を下げる姿までカンペキだった。大人の女性って感じがした。

「うっわ、馬鹿犬顔真っ赤じゃん」
「オー！太一、キビナゴねー！」
「茹でダコ、っすか？わかりにくい間違いやめてくださいよ…」

万チャンと彼女サンの後に続いて、ぞろぞろとみんなが着いて行くのを見て、やっと正気を取り戻した。
そして一息ふぅ…と吐いてから玄関を後にした。

綺麗なお姉さんが彼女とは…

「万チャンさすがっスね」