【A3!】イージーモードな彼と私【摂津万里】 (ページ11)

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＊一方その頃ページ11

九門side

「あれ？万里くんから電話だ」

昼間に映画館で彼女とデート中だった万里から、カントクへ電話がかかってきたのは夜ご飯を食べ終わってみんなでトランプタワーをしていた頃だった。

「万チャン、どうかしたんスかね？」
「う～ん、わかんないけど、いま彼女といるみたいっす」
「え！？万チャン彼女いるんすか！？俺っち聞いてない！！」
「しかも！太一さん聞いて！！…めちゃくちゃ可愛かったっす…」
「んぐぉぉぉおおお！！！俺っちも可愛い彼女ほしいぃいいい！万チャン羨ましいっス～～～～！！」

2人で騒いでいたら机にぶつかって作りかけのトランプタワーを崩壊させてしまった。すみーさんに怒られたけど、それを遮ったのはカントクだった。

「えぇ！？万里くんが！？はい、はい。わかりました。8時半頃ですね！私も劇団員も寮に居ますので、気を付けて起こし下さい。はい。失礼します。」
「監督せんせー、万チャンどうしたんすか？」
「それが…」

・

カントクの話によると、万里が間違えてお酒を飲んでしまいめちゃくちゃに酔っているらしい。あんなチャラチャラしてんのにすぐ酔うのか…あとで兄ちゃんに言おう。

そしてこれからベロベロの酔っ払い万里が帰って来るということ…よりも彼女さんがもう一回見れるということに少しテンションが上がっていた。

「太一さん！よかったっすね、彼女も来るみたいで！」
「万チャンには悪いけど、正直彼女サンが気になってしかたないっス…男の本能ってやつかな…」

男の本能…というのは聞いたことないけど、少し前に帰ってきた左京さんが呆れたように頭を抱えているのを見て、すこし同情した。

・

臣side

左京さんと監督から万里が酔っ払って帰ってくるので酔いが覚める様なものを作ってもらえないかと言われた。

最近は大人しくなった万里だったが、昔のヤンチャ精神がそうさせたのか…？なんて思ったが、意図的ではないと言うので少しほっとした。

「酔った時には糖分がいいらしいよん！」
「おお、ありがとう、一成」
「いえいえ～☆そういえばおみみ、デザートにチョコケーキ焼いてたよね！それセッツァーにも食べてもらえばいいんじゃない？」

談話室で一連の話を聞いていた一成からの提案に納得し、十座には悪いけど…と万里のために甘味フルコースを用意した。
途中、談話室にきた十座が嬉しそうな顔をしたが、事情を説明すると静かにソファへ座った。…なんか、ごめんな十座。