【A3!】イージーモードな彼と私【摂津万里】 (ページ4)

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＊キャラメルと塩ページ4

万里side

「映画楽しみだね！」
「うん！椋と映画観るのも久しぶりだし！」
「ちょっとポンコツ、こっちに肘置くな！」
「はぁ！？なんでだよここ俺のだろうが！」
「このポップコーンさんかくじゃない～しょぼ～ん…」
「あ！この氷、三角っぽいよん☆」

「………はぁ」
「楽しそうだね～」

後ろから聞こえる声にニコニコする彼女、Aに何回目のため息？なんて笑われるが正直不満は溜まりに溜まっていた。

なんでこいつらはこのスッカスカのシアター内で俺たちの真後ろを選んだのか、他人だったら余計気まずいだろ！いや、俺も気まずいわ！

「あ！彼女ちゃ～ん！それキャラメル味？俺たちの塩味なんだけどちょっと交換しな～い
？」
「お！いいね！交換しよ～！」

久しぶりのデートだってのに…AはAで、こいつらとの交流を楽しんでいるようなので変に口出しはしない。

…というのは建前で、本当は構ってもらえなくてあいつらに嫉妬していた。が、ここで態度に出せば寮でいじりたおされるのは目に見えていたため平常心を保った。

「万里」
「んだよ…」
「塩味貰った！ほら、あ～ん」
「…ん、ドーモ」
「映画終わったらたくさん構ってあげるから、ね？」
「そ～かよ…」
「素直じゃないな～」

ははっとAが笑うとほぼ同時に証明が消えていった。なんだか悔しくてそっと彼女の右手に自身の手を重ねた。指をきゅっと握り返されるとそれだけでニヤついた。どれだけ単純なんだ俺は…。緩みきったこの顔は暗闇で見えないと祈ろう。