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「……A」
「はい」
「一回しか言わないからよく聞いてください」
そう言いながら彼は状態を起こし、意志の強そうな双眸を私に向ける。
「好きです」
あまりに突然だった。それはもうあの時のキスと同じくらいに。だから#なまえ#に会いに行ったんですけど、居なかったから。そう私の手を握って俯く。
女の子のように弱々しい容姿を持っているのに、彼は強い。弱さのかけらもないし、弱音すら吐かない。
そんな彼がこんなに寂しそうに、辛そうに、私に気持ちを打ち明けてくれるのが嬉しかった。
「抱き締められた事とか、お菓子とか。あなたは僕に色々してくれたから、期待しちゃっているんです」
どくん、どくんと胸が深く鼓動を刻む。もう彼の声以外は聞こえない。外を走る煩いバイクの音も、風で木の葉が揺れる音も、私の耳には届かない。
ねえ、と彼は私の頬にそっと触れる。
「Aも僕が好きでしょう？」
もう私の世界には、鈴屋さんと私の二人しか存在しない。
口を開こうとしても無理で、声なんて到底出せそうに無かった。
こつんとお互いの額がぶつかる。正直に言ってくださいと付け足した彼に、私はなんと伝えたらいいのだろう。
私の気持ちを知っていたんですか？ ううん、私が今言うべきことは違う。
「すき、好きです、ずっとずっと好きでした」
長らく彼に恋をしていたのだ。私のお菓子を毎日食べたいと言ってくれたあの時からずっと、彼に引かれていたのだと思う。
一度声に出すと、もう止まれない。
「お菓子を食べたいと言ってくれた時から好きで、期待ばっかりでたくさん悩んで、それでも嫌いになんてなれないしむしろ諦められなかった」
「ふふ、じゃあ僕の方が先ですねぇ」
出会った時から好きでした、とあまりにも綺麗に微笑みかけられる。
お互い気づいていなかっただけで、両想いだったなんて。嬉しすぎて涙が溢れてくる。今なら苦手なことだって喰種を倒すことだって軽々と出来てしまいそうだ。
「キスしたのだって移してほしかったからじゃないです。ただしたかっただけです」
お互い引き寄せられるように抱き合う。以前よりも高い体温が心地いい。
あなたが好きです。もう一度確かめるように呟いた。
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葵祭 - 鈴屋くんかっこいい( ・∇・)面白かったです！！(*^▽^)/★*☆♪ (2018年7月8日 8時) (
レス) id: cfa0ae033f (このIDを非表示/違反報告)
大谷しおる(プロフ) - 芋蟲さん» ありがとうございます…！！ (2018年3月20日 10時) (レス) id: d0b3d0a09b (このIDを非表示/違反報告)
芋蟲(プロフ) - すごく面白かったです！完結、おめでとうございます。 (2018年3月16日 20時) (レス) id: 19ce6d312e (このIDを非表示/違反報告)
大西(プロフ) - 青春ログアウトさん» コメントありがとうございます…！什造くん素敵ですよね；；文も褒めていただいて嬉しいです〜！更新頑張ります！！ (2018年1月31日 0時) (レス) id: d0b3d0a09b (このIDを非表示/違反報告)
青春ログアウト(プロフ) - 鈴屋さん好きなのでこの作品見つけた時すごい嬉しかったです！話の方も素晴らしい文才で、読みやすくて尊敬です！更新頑張ってください(*^^*) 応援してます！ (2018年1月30日 20時) (レス) id: 879efebfe2 (このIDを非表示/違反報告)
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