大好きを叫ぶこと ページ22
「……すっごくいきなりですね」
扉を開けるなり、彼はそう放った。一応自覚はある。阿原さんと給湯室で会ってから、まだ一時間も経っていなかった。自分の行動力に自分で驚いてしまった。確かにいきなりすぎる。
「だって、阿原さんの事も断ったと聞いて気が気じゃなくて……」
「別に平気です。熱があって頭痛がするくらいです」
「それがよくないんです」
さっさと上がり込んで、彼をベッドへと押し戻す。何か食べました？ と聞いても首を横に振るばかりだ。きっとこの人起きてから何にもしてないのだろう。お粥作りますからと残し、キッチンに立つ。
鈴屋さんの体調があまり良くない時にこんなこと思うのもどうかと思うけど、かなりドキドキしていた。
看病にほぼ無理やりだけど来て料理をするなんて、彼女みたいだ。うわあ、とつい声を上げそうになるのを抑える。
こういう時、自炊ができてよかったと今までやってきた自分に感謝する。
「ねぇA」
続いた沈黙を破るように、彼が私を呼ぶ。どうしました、と振り返ると、ベッドの上で膝を抱えて座っていた。
大きな瞳を伏せて、ぱちぱちとまつげを揺らす。いつもは羨ましいばかりの肌の白さは、火照った肌を強調するだけみになっている。
「どうして、休んだこと知ってたんですか」
「阿原さんに聞きましたよ」
隠すことでもないと笑いながら言うと、彼は何だか恨めしそうな顔をした。はんべー……と項垂れ、ベッドに倒れ込む。
丁度出来たお粥を持って、静かに倒れた彼の元によって、ベッド脇にしゃがむ。逆に聞きますけど、と口を開く。
「鈴屋さんは何で知ってたんですか？」
休んだ時のことを思い出す。何故か彼はいきなり家の中に居たし、食べるものまで買ってきてくれた。
それはですねと一言呟いてから、彼はまた黙った。人に聞いといて今更狡い。
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葵祭 - 鈴屋くんかっこいい( ・∇・)面白かったです！！(*^▽^)/★*☆♪ (2018年7月8日 8時) (
レス) id: cfa0ae033f (このIDを非表示/違反報告)
大谷しおる(プロフ) - 芋蟲さん» ありがとうございます…！！ (2018年3月20日 10時) (レス) id: d0b3d0a09b (このIDを非表示/違反報告)
芋蟲(プロフ) - すごく面白かったです！完結、おめでとうございます。 (2018年3月16日 20時) (レス) id: 19ce6d312e (このIDを非表示/違反報告)
大西(プロフ) - 青春ログアウトさん» コメントありがとうございます…！什造くん素敵ですよね；；文も褒めていただいて嬉しいです〜！更新頑張ります！！ (2018年1月31日 0時) (レス) id: d0b3d0a09b (このIDを非表示/違反報告)
青春ログアウト(プロフ) - 鈴屋さん好きなのでこの作品見つけた時すごい嬉しかったです！話の方も素晴らしい文才で、読みやすくて尊敬です！更新頑張ってください(*^^*) 応援してます！ (2018年1月30日 20時) (レス) id: 879efebfe2 (このIDを非表示/違反報告)
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