消息不明のアイドルは 5 (ページ8)

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88話ページ8

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『私が幼い頃、お父さんと充お兄ちゃんの命を奪った交通事故がありました…』

スタジアムから宿舎に戻るバスの中で、私は自分に何があったかを話した

隣に座る光兄は、疲れたのか私の肩に頭を乗せて寝息をたてていた

『その交通事故で、私は運良く車内から弾き出されて無傷だったんですけど…光兄はかなりの重症でした……

本当は、すぐに光兄の元へ行くつもりだったのですが……お葬式やお通夜、親権の手続き等に参加していたので事故後直ぐには会いに行けませんでした…

色々と用事を済ませて、面会に行った時にはもう手遅れでした…

兄は解離性同一性障害を患い、挙句オリオンの使徒として財団に加入していました』

車内が暗い空気になる

『そして…独りになってしまった私を、ある人が見つけてくれてオリオンから匿ってくれたんです…』

稲森｢ある人…？｣

『…はい、まだその人のことを詳しくは言えませんが…オリオン財団の組織であり、内側から財団を変えようとしている人です…』

稲森｢内側から変える…｣

『その人の支援のおかげで、オリオンから身を隠していましたが生活費は芸能活動を行って自分で稼いでいました…いつか兄と2人で暮らせるように…』

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