【REBORN】包容する大空 ⅩｘＸⅡ【XANXUS】 (ページ18)

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標的1422＊ひだまりの場所ページ18

暖かな日差しが降り注ぐ午後の一時。

私はザンと一緒に部屋を出てのんびりと歩く。

外傷もないし、幻術も解けてるし、すっかり平気なのにずっと部屋で寝ているのは退屈。

それに、ボンゴレ以外のファミリーに来られる機会もそうない。

せっかくだから見ておきたい。

貴「わっ……！」

アクアファミリーはボンゴレよりも小さいアジト。

だけれど、どこか風格がある。でも一歩中に入れば親しみを覚える人達ばかり。

街より小高い丘の上に立ち、街を一望する事も出来る。

その景色は圧巻だ。思わず見惚れる。

ボンゴレの本部からは森が見える。でもここからは街や海まで見える。

ネ「A様。XANXUS様。どうされたの？」

不意にかけられた声に見れば、私達の方へとやって来るネーヴェさん。

裾の長いような服装じゃなく、裾や袖も邪魔にならないような動きやすそうな服装。

私達の側へやって来て、同じように外を見る。

ネ「いい景色でしょう？」

貴「はい。」

ネ「そうだ。もっと良いもの見せてさしあげるわ。」

ふわりと浮かべれた笑みは、次には良い事思いついたように変わる。

そんなネーヴェさんに私達は首を傾げながらついて行く。

どこへ行くのかは気になるけど、それは楽しみにとっておくことにしよう。

貴「ネーヴェさん、アルベルトさんは大丈夫ですか？」

ネ「えぇ。色々とやってたけど今はやーっと休んでくれたわ。全く手がかかるんだから……」

貴「ふふっ。でも元気そうで安心しました。」

ネ「忙しさにかまけて食べようとしないから、無理やり口に詰め込んでやったけど。」

Ｘ「……てめぇ、本当に医者か…？」

胡乱気なザンの表情に「勿論」と胸張って答えるネーヴェさん。

なんだか可笑しくてクスリと笑みが零れる。ネーヴェさんの心配の証だと思ってる。

目を覚ましてからも私も会いにいった。

思ったより元気そうで、初めて出会った時よりもずっとフランクに接してくれて。

アクアファミリーの身内同然っていうのもすんなりと頷けたくらいだから。

ネ「今夜は感謝を込めてウチでパーティーをするから覚悟しておいてね。」

貴「えっ…！それは悪いですよ！」

ネ「ふふっ。協力してくれたせめてもの感謝よ。私だってA様ともっとお話ししたいもの。」

貴「ネーヴェさん……。ありがとうございます。」

申し訳ないような嬉しいような。

ネーヴェさんの笑みに私も自然と笑顔がこぼれた。