【REBORN】包容する大空 ⅩｘＸⅡ【XANXUS】 (ページ16)

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標的1420＊泣いて泣いてページ16

《XANXUSside》

『目を覚ました事は伝えておく。もうちっとゆっくりさせた方が良いだろ。』

そう言ったリボーンは部屋を出て行った。

俺は変わらずベッドに腰掛け横になったままのAを見つめる。

泣いても泣いても、その涙は止まらなかった。

まるで、泣けなかった分を泣くように、子供のようにしばらく泣き続けていた。

俺はただその涙を拭い続けた。

Ｘ「落ち着いたか……？」

そっとAに問えば、微笑みと共に頷きが返って来た。

それを見てそっとAの髪を手で梳く。絡まる事無くさらりと手から零れ落ちた。

貴「…め……みた…」

Ｘ「あぁ。」

貴「こども……ころは…ひとりぼっちだな…って…おもって……。…おとうさん…とおかあさんが……いて…いいなって…」

小さく紡がれる言葉はどこか寝呆けているよう。

きゅっと俺の手を掴むその小さな手は、何かに縋る幼子のよう。

貴「わたしのせい…で……って…でもちがうって……」

Ｘ「……あぁ。」

貴「…やなの………まっくらななかに……ひとりぼっち…」

「やなの…」と恐れるように紡がれる声はどこか震えていた。

返す言葉が咄嗟に見つけられず、俺はきゅっと手を握る手を握り返した。

そのまま横になるAの隣に横になり、コツンと額を当てる。

Ｘ「俺がいる。ずっと。これからも永遠にお前の傍に。」

何を見たのかは聞かない。

ただそれが、Aを暗闇に一人置き去りにした事なのだということは分かった。

あぁ……だからか。そんな経験があったから。

『１人じゃ……ないよ…。』

一人ぼっちの孤独と苦しさを知っていたから、お前はそうさせたくなったのか……。

やっと解ったことにどうしてか口端が上がった。

一人になっても。お前は進み続けた。

そして誰かに、周囲の人間を見せつけ一人ではなくした。

大した奴だ。お前は…。

Ｘ「お前を…独りにはさせねぇ。」

眠りに落ちたAの額に、静かに口付けを落とした。