標的1251＊8月‐2 ページ33
《XANXUSside》
カス共が先に行き、俺はAと共に最後に森へ足を踏み入れた。
俺自身こういうものはどうということはないし、恐ろしいとも感じない。
幻覚ならばすぐに見破れるし、それでないものはカッ消してしまえばいい。
俺はそう思っている。
バサバサッ
貴「ひゃっ！」
………Aは全く違うようだが。
恐る恐るというように足を進め、草木が風に揺れる音にさえビビっている。
そんな姿に呆れもする。これでマフィアのドンになれんのか……？
大方、リボーンも同じようなことを思っているんだろう。
意識的になのか無意識なのか、ずっと俺の腕を掴んでいる。
そこまで怖いか………。
最後まで行けるのかと不安になる。
Ｘ「A。」
貴「ふぇっ……もっ………やだぁ……！」
その目に涙が溜まっている。
まだ数十mしか歩いてねぇ。
凛々しくまっすぐ前を見るいつもの姿とは違うAに、どうしてか口角が上がる。
Ｘ「さっさと終わらせる。俺から離れるな。」
そう言えば、いつもは頬を染めるAがブンブンと首を縦に振る。
それに腹の底から吹き出した。
「何故笑う」とAが怒るが、収まる気配がない。
そのまま足を進めていてが………、
Ｘ「A。進んでねぇ。」
貴「だって………！」
Aの足取りが恐ろしくゆっくりだ。
これではいつ終わるとも分からない。
ボォッ…………
貴「っ！」
青白い不気味な火が、俺たちの周りに1つ現れた。
それにAがビクつく。
…………幻覚だな。
恐怖を煽る演出だろう。
それに気にせず足を進めようとする。
Ｘ「…………………おい。」
Aが動かない。
恐怖で足がすくんだらしい。
貴「もっ………やぁっ……！」
そんな姿にため息が出た。
だが、ため息をついた俺にAが肩を跳ねた。
貴「ご……ごめんなさいっ……！」
Ｘ「謝ることじゃねぇ。」
呆れも感じている。
だがそれ以上に、愛しさを感じている。
Aを強く抱きしめ、青白い火との間に立つ。
幻覚だと分かっていれば見破ることは簡単だ。
Aの視界を遮ったことで、青白い火が消えた。
腕を緩め、Aを解放する。
周りを窺っているAの瞼に口づけを落とし、溢れそうな涙を拭っておく。
Ｘ「先に進むぞ。」
俺の手をぎゅっと握り、Aが頷いた。
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桜(プロフ) - 謙也LOVEさん» ありがとうございます！ 一度は書いてみたい話でした。子供らしさいっぱいで、でも夢主らしくありたいと思ってました。きっと夢主いつでもXANXUSが好きだと思いますｗ (2019年12月31日 17時) (
レス) id: f38863f7c8 (このIDを非表示/違反報告)
謙也LOVE - この海水浴の話面白いですランボの10年バズーカにあたり幼児化してしまった主人公でもベル達と仲良くなりXANXUSくんに至っては抱っこ拒否られ落ち込むけど主人公的にXANXUSくんがかっこいいから恥ずかしかったのでしょうね (2019年12月31日 17時) (レス) id: 53026d57c3 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - 楪さん» ありがとうございます！ ここまでをそんなにも楽しんでいただけて嬉しい限りです！ えへへ……最高だなんて嬉しいですっ。応援ありがとうございます。これからもよろしくお願いします！ (2019年3月20日 18時) (レス) id: f38863f7c8 (このIDを非表示/違反報告)
楪 - シリーズの最初からここまで、一気に読ませて頂きました！ 風邪で寝込んでいたにも関わらず、続きが気になって読み進めてしまいました（苦笑）原作もオリジナルの話もすべて最高でした！ これからも応援してますね (2019年3月19日 20時) (レス) id: 46c02ccb1e (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - 乱さん» ありがとうございます！ (2019年3月8日 18時) (レス) id: f38863f7c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜
| 作成日時：2019年3月7日 18時
