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きょろきょろと辺りを見渡すが探し人の姿は見当たらない。久しぶりに入った森は静まり返っていて、獣一匹 見つけることは出来なかった。おかしい、いつも森に人間が入ると狼が真っ先に確認に行くはずなのに。
私はレザーと狼たちに会いに奔狼領にやってきていた。すっかり元素力も扱えるようになったし、魔物と遭遇しても対処ができる。ずっと会いたいと思っていたんだ。
「 レザー？ 」
やっぱりどこにもいない。こういう時に彼のように鼻が利けば見つけることが出来たのにな、と森を歩いていると、私の目に信じられない光景が映る。
── 狼だ。何匹もの狼たちが倒れている。それもかなりの数が道の先に続いている。近くの一匹に駆け寄ると微かに息があった。どうやら皆 生きてはいるようだ。
私はこの狼を覚えている。この子は……あの日、屋敷に私の様子を見に来てくれた狼だ。
「 っ、レザー！ レザーッ！！ 」
何だか嫌な予感がする。もしかしたら彼の身に何かあったのかもしれない。私は狼が倒れている先を目指して全速力で走った。
暫く走ると開けた場所に出た。まるでそこだけが違う世界から切り取られたように冷気が漂っていてぶるりと身震いをする。遺跡のようなその場所にレザーはいた。地面には彼の大剣が転がっていて、フワフワと浮いた何かが周りを取り囲んでいる。
脳内の私、出ておいで。「 ちょっと待ってね 」脳内の私はこれまで読破した膨大な量の本のうちから一つを引っ張り出してきて、とあるページを開いてバッとこちらに見せつける。そう、あれは…。
「 アビスの魔術師！！ 」
私は剣を片手にレザーの前に降り立った。大切な人を傷つけるというのなら生かしてはおけない。
「 A、なんで 」
「 説明はあとだ。逃げて、レザー。ここは私が食い止めるから 」
敵の数は三体。それぞれ水、雷、炎の元素シールドを纏っている。考えろ、私が優位に立つためにはまず何をするべきか。
カラン、と金属の音が聞こえて隣を見ると、レザーが両手剣を構え直して立ち上がっていた。彼も神の目を持っているとはいえ、身体の至る所に傷が確認 出来る。今すぐ狼たちとこの場を離れてほしいが…。
「 オレ、もう失いたくない。A、守る 」
「 レザー… 」
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杏仁豆腐のスプーンになりたい - 続きすんごい気になる……更新頑張ってください…！ (4月29日 1時) (
レス) @page49 id: 6ae8607e98 (このIDを非表示/違反報告)
杏仁豆腐のスプーンになりたい - 流石に可愛すぎる (4月29日 0時) (レス) @page7 id: 6ae8607e98 (このIDを非表示/違反報告)
しゅた - 本当に面白いです！！きゅんきゅんして見てます！！！更新頑張ってください！ (2023年2月13日 12時) (レス) id: 7bb104c929 (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - 楓さん» うわあ！お返事遅くなりました！ありがとうございます！！その辺も書いてきますよ〜✍🏻 (2022年12月29日 19時) (レス) @page38 id: adb855f002 (このIDを非表示/違反報告)
楓(プロフ) - ダァッ！！！！続きが気になります、、、主ちゃん一体何者なんだ、、 (2022年12月11日 13時) (レス) @page45 id: 4c22f265eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りり | 作成日時：2022年11月21日 3時
