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しかし目的の人物を見つけるにはそう時間はかからなかった。
授業中のために静かな校舎までの道で、前方から覚束無い足取りでやってきたのはスザクだ。
「 スザクさん 」
名前を呼ばれてようやくレオの存在に気がついたらしいスザクは、「 レオ 」と小さく呟き、必死にいつも通りの笑顔を取り繕う。
不細工で下手くそな笑顔だ。
「 Aから聞きました 」
「 ！ 」
途端に一気に青くなる顔に、レオはピクリと眉を動かした。
Aに知られたショックで死人のような顔をしているのかと思ったが、どうやら彼にとっては過去のこと自体が一種のトラウマとして植え付けられているようだ。
「 別に、だからといって俺は貴方のことを軽蔑したりしません。けど、Aとは一度 話してやってください。あいつもあいつで、結構 参ってるみたいなんだ 」
「 ……うん、そう、だね。ありがとう、レオ 」
力なく笑うと、ふらりふらりとまた歩き出す。
レオはその小さな背中を振り返ったが、やがて授業に参加するために踵を返した。
学園内に入り靴を脱ぎかけたところで、どこからか話し声が聞こえてきた。
「 いや、隠れる必要は…ないだろ 」
職業病だろうか、静かな空間に突然 物音がしただけで、慌てて靴箱の裏に身を隠してしまった。
やがて先程までレオがいたところにやってきたのは、誰かと電話をしている様子のルルーシュ。
「 …だから、Aには発現していないんだ 」
発現？
一体 何の話だ、とレオが聞き耳を立てようと少し身を寄せると、ピタリとルルーシュの動きが止まる。
一瞬 見つかったかと冷や汗が流れたが、ルルーシュの視線は足元の慌てて脱いだような靴に注がれている。
「 ( ルルーシュさんに見つかったところで何も支障はないのに、どうしてこんなに心臓がバクバクするんだ？ )」
口元を両手で抑え息を殺すと、ルルーシュはやがて再び歩き出した。
「 ああ、じゃあ、また今度 遊びに行こう。付き合いが悪いとか言ったのはそっちだろう？ たまにはいいじゃないか 」
先程とは一変、ワントーン上がった声に、レオは小さく舌打ちをこぼした。
レオだということはバレていないだろうが、ここに誰かが潜んでいたということは、恐らく気づかれている。
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続く (更新停止中)
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ムクゲ(プロフ) - 原作が大好きな作品で、しっかりと原作の内容に沿いながらオリジナル要素もあり、早く次の話を読みたいとわくわくしました。また続きが更新されるのを楽しみにしております。またレオ君推しです。 (9月25日 0時) (
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作者名：りり | 作成日時：2022年12月3日 0時
