▼ 心の温度 ページ1
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涙ながらに話すAの言葉は聞き取りにくいものであっただろうが、レオはせかすことなく、相槌を入れながら先を促した。
ナナリーの件は簡潔にまとめたが、本題であるスザクについて話す時は嗚咽が酷かった。
「 ……そう。突然の日本の降伏は、それが原因だったんだな 」
スザクが実の父親である枢木玄武を手にかけたことを聞いても、レオはあまり驚いた様子を見せなかった。
むしろ納得しているような、そんな表情を見せ、ソファの背もたれに身体を預けて天井を見上げる。
「 おかしいとは思ったんだ。厳島の奇跡もあって余力を残していたっていうのに、降伏だなんて。……けど、そうだな。まさかスザクさんが、ね 」
Aはようやく落ち着いてきた呼吸を整え、テーブルの上にある湯気の立つマグカップに手を伸ばした。
レオが入れてくれたココアだ。
「 それで…。センパイは何をそんなに泣いてるわけ？ 」
「 …これまでも、これからも隣で戦うつもりだった人が、まさか、そんな。それに、死にたがりだって。私は生きるために戦うのに、スザクは死ぬために戦っていたんじゃないかと思うと 」
マグカップを両手で包み込むと、じんわりとした熱が手のひらから伝わってくる。
ずっとこのままというわけにもいかないし、いつかスザクとしっかり話さなければいけないことは分かっているが…。
「 上手く言えないけど、スザクさんが戦う理由は他にもあるんじゃないの 」
「 他？ 」
「 そう。…えっと、そう 」
流石に他人の恋慕を暴露することは出来ずに口ごもるレオだったが、Aは特に問い詰めることなくココアを含んだ。
兎にも角にも、まずは話し合いをするべきだ、とレオは立ち上がる。
「 俺は今からでも学校に行ってくる。スザクさんには俺から話しておくから、今日の夜にでもしっかり向き合いなよ 」
「 ……ありがとう、レオくん。大好き 」
「 そりゃどーも 」
ヒラヒラと後ろ手に手を振って、もう午後の授業も後半であろう学校へと足を向ける。
まずは何よりスザクを探さねばならないので、授業に参加 出来るかどうかも怪しいところだ。
「 くそ、不意打ちかよ…… 」
レオは困ったように笑い、小さくため息をつく。
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ムクゲ(プロフ) - 原作が大好きな作品で、しっかりと原作の内容に沿いながらオリジナル要素もあり、早く次の話を読みたいとわくわくしました。また続きが更新されるのを楽しみにしております。またレオ君推しです。 (9月25日 0時) (
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作者名：りり | 作成日時：2022年12月3日 0時
