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ナイトメア格納庫に着くと、すぐにロイドが子供のようにはしゃきながらこちらに駆け寄ってくる。
ぎょっとしてスザクは身を引いたが、その口から発せられた言葉は思いもしなかったものだった。
「 二人とも残念でしたぁ〜！ コーネリア殿下の直属部隊からの命令。次の作戦に参加しろってさ！ 」
「 えぇ！？ 私たちが、ですか……？ 」
コーネリアがナンバーズを前線へ出すことなど前例のないことであり、Aが驚くのも無理はない。
「 ナリタでの功績が認められたのかな？ それともまた囮？ 」
カワグチ湖のホテルジャック事件の際には、ランスロットは囮として突入された。
その事は後々になってから知ったことであったが、スザク本人は、どんな形であれみんなを助けられるならばと拒むことはしなかったらしい。
「 ロイドさーん？ 」
「 ん？ 」
そこへいくつかのおにぎりを乗せた皿を持ったセシルがやってきた。
Aとスザクはおにぎりを見た瞬間、苦い思い出が蘇り、無意識に数歩 後退りする。
「 人との正しい付き合い方、教えて差し上げましょうか？ 」
「 ……アリガトウ、エンリョシマス 」
近くのテーブルに皿が置かれる。
あの時、ナリタでランスロットらが発進する直前、モニターにはセシルに胸倉を掴まれるロイドが映っていた。
それを思い出したAは身震いし、同時に今のセシルの言葉の意味も理解する。
「 それでその作戦なんだけどさ〜！ 」
話題を切り替えようとするロイドに、セシルは呆れたようにため息をついて整備士へもおにぎりを差し入れしにいった。
「 逃亡した日本解放戦線の片瀬の潜伏先が分かったらしいよ。トウキョウ湾だってさ 」
「 トウキョウ湾？ 海外への逃亡を図っているのでしょうか 」
ナリタ攻防戦では黒の騎士団の存在もあって日本解放戦線側の勝利に終わったが、恐らく既に風前の灯火。
詳しい作戦概要は現地で聞くようにとのことで、この場はそれでおしまいになった。
「 この事は限られた一部の人間しか知らない。ナリタの時みたいに黒の騎士団に不意をつかれることはないだろ 」
「 レオくん！ 」
よっと片手を上げてこちらへ歩いてくるレオに駆け寄り、Aは嬉しそうにその手を握った。
「 久しぶり！ 元気だった？ 」
「 せいぜい数日 空いただけだろ… 」
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作者名：りり | 作成日時：2022年9月27日 12時
